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* category: 旅行

西塔は東塔より高い(奈良その2)  

2008.09.19
Fri
20:51

 夜は定期観光バスに乗って、薬師寺の夜間特別拝観を中心とするコースを行くことにしました。今冬にやっていたドラマ『鹿男あおによし』がとても面白くて、クライマックスの儀式の場所・平城京跡の朱雀門がコースに入ってたからというコース選択。とはいうものの、結局朱雀門は遠くから見て、(暗いなかで)写真撮る時間を与えられた程度でした・・・。

 けれど薬師寺の夜間特別拝観はすばらしかったです。
 駐車場でバスを降り、ほぼ灯の消えた境内をガイドさんに従ってどんどん歩き、白鳳伽藍の南門をくぐります。お坊さんが待っていて、金堂に通されます。そこには薬師三尊像があり、日光菩薩と月光菩薩は今年の春、上野で見たばかりだったけれど、本来の場所にある、薬師如来の脇に控えているすがたはずっと趣深いものでした。このお堂のなかだけに灯があり、まるで仏像が光を帯びているようだったし。

 若いお坊さんの話は、薬師如来の御利益についてだったり、西塔の再建についてだったり。千年経ったときに同じ高さになるように計算して建てたため、今は西のほうが目に見えて高いのだそうです。
 そして恥ずかしながら知らなかった、そして驚いたことは、奈良のお寺は仏教の研究のために置かれたものであり、檀家を持たないこと。だからお寺に墓所もないし、奈良で僧侶が亡くなってもお経をあげる僧は別の場所から呼ぶ。この大きな薬師寺でさえ、在籍する僧侶は二十人に満たないのだそうです(薬師寺のサイトで紹介されている僧侶はたった12人、しかもそのうちひとりは在インドです)。

 あと、薬師寺の東塔には思い出のようなものがありました。
 高校時代の現代国語の先生が、ふとしたおりに
「当時、わたしはひとつの恋を終えて、茣蓙を引き横たわり薬師寺の東塔を一日眺めた」
と話したことが強く印象に残っていたからです。
 満月に照らされた東塔は黒々と佇み、恋の残照なんて気配は当然ありませんでしたが。

 当日は「なら燈花会」(とうかえ)の最終日でもありました。昼間からたくさんのひとが集まり、浴衣や甚兵衛姿の若いひとたちも街を歩いていました。
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