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* category: 展覧会

真冬の上野、レオナール・フジタ展 

2009.01.08
Thu
20:43

 1月18日まで開催中(なんと大晦日・元旦も開いていたそうです、終了まで無休)のレオナール・フジタ展を見に、上野の森美術館に行ってきました。

 上野の森美術館に行くのは何年ぶりだろう? 記憶よりもずっと近くにあり、かつ上野の公園口出てすぐの東京文化会館を別の角度から見ることができて、短い散歩ですが楽しめました。
CIMG1940-s.jpg
 それにしてもこのへんは大きな木が多い。すべて葉が落ちた枝振りを眺めるだけでもけっこう時間が経っていきます。背後に写っているのは東京文化会館です。

 斜面に猫玉もできていたよ。
CIMG1936-s.jpg
 コンパクトデジカメではちょっとズームにも限界が。よく見えませんが、少なくとも三匹はいるようです。みんな同じ模様、家族かな。

 着いたのは4時半ごろでした。清水観音堂と、うっすらと月。
CIMG1947-s.jpg

 お参りをしてから上野の森美術館に行きました。
CIMG1950-s.jpg
 
 フジタの大規模展覧会は、2006年に「生誕120年 藤田嗣治展」が竹橋の国立近代美術館で開催されたばかり(その後巡回、当時のサイトがこちらに残っていました)。

 今回の展覧会も、フジタの軌跡をていねいに追っていることは変わりませんが、2006年にはそのうち一枚が公開されたに過ぎない大作「構図」二枚およびそのカウンターパートである「争闘」二枚が並んで展示されていること、そしてフランスに帰化しカトリックの洗礼を受けたフジタが最後に心血を注いだランスの「平和の聖母礼拝堂」での仕事が包括的に示されていたこと、そこに至る宗教画が充実していたことが大きかったと思います。また、フランスでのフジタに焦点を当て、たとえば2006年の展覧会ではある程度の位置を占めた戦争画などはラインナップに入っていなかった点も違います。

 以下、簡単にメモ。
・パリにわたったのは1913年。モディリアーニと仲がよかったという(モディによるフジタの肖像も展示されている)が、アフリカ彫刻のような造形(で、エジプト彫刻のような平板な横顔)の絵が並ぶ。新鮮。
・「構図」にはたくさんの人間に加えて、動物たちも登場。人間はみなさんそれぞれそれなりに忙しそうにしているし(さまざまなポーズを取っている)、動物たちは檻に入れられてたり犬みたいに長い紐につながれていたりしているのに、「犬のいる構図」の猫二匹だけはおなかを出してのーんびりおやすみ。
・続いて展示されていた「争闘」にも犬は登場し、取っ組み合う人間たちのまわりをまわったり自分たちも戦ったりする。でも猫はいない。
・猫といいえばフジタ自身や、すばらしき乳白色の肌のモデルたちとも共演しているが、ビュッフェ美術館収蔵だという屏風絵(水彩、墨)が一番よかった。カニ、エビ、各種魚を取り合って飛んだり跳ねたりする猫たち。画面右端、フジタのサインの一番近くに唯一のんびりとやすむ親子? 猫。
・フジタは絵だけでなく手仕事一般が好きで得意で、大きな針箱も持っていたし(箱の飾りとしての絵もちゃんと描いた)額縁も自作、木製ハンガーや衝立の飾り金属レリーフも作ったとのこと。こういうこまごまとした仕事も見れて楽しい。ちいさなそろばんのカラフルなこと。
・受洗した59年の連作、「イヴ」のさまざまな様子を楽しむ。智恵の実を手にした裸のイヴは美しい、目の大きさや顔の造作などは現代のグラフィック・アート的な感性に通じると思う。イヴの背後にはびっしりと動物たちが並ぶが、ここには猫はいない、ようだ。あとで、「イエネコ」は天地創造のときに存在していたわけではないからかなと思った。
・ランスの礼拝堂の入り口の扉がいい。写真をみるとほんのりピンクがかかっているように見え、アイアンの装飾が美しい。
・カタログがすばらしい。内容もさることながら、字体・用紙・色使いなど、一冊の本としての完成度も高い。

 今年の最初としてこの展覧会を選んでよかったです。
 プレイガイドで、妙心寺展とアーツ&クラフツ展の前売り券を買いました。ほかに必ず見る予定なのはピカソ&クレー(Bunkamura)、ルーヴルの17世紀(西洋美術館)、国宝 阿修羅展(国立博物館)など。
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