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* category: コンサート、演劇

バロック・オペラとカンツォーネ 

2009.02.16
Mon
18:56

 8日に横須賀芸術劇場での十七世紀オペラ公演、14日に外交官の家でのバレンタイン・コンサートに行ってきました。

 横須賀芸術劇場ははじめて。すでに記事に書いたように、当日は早めに出てまずは田浦梅の里に行き、駅の近くまで徒歩で戻ってきてバスに乗り、劇場最寄りの汐入へ。
090208p1-s.jpg
 メインは二作のオペラ。昨年『オルフェオ』を県立音楽堂で鑑賞したモンテヴェルディの『タンクレーディとクロリンダの戦い』、そしてパーセル唯一のオペラ完成作『ダイドーとイニーアス』。昨年から続いているという、劇場開館15周年プログラムの一環で、劇場サイトにはていねいなアーカイブもあります。

 090208p2-s.jpg
 劇場入り口へのアプローチ。

090208p4-s.jpg
 オペラハウススタイルの劇場。周囲に座った観客のみなさんはお互い知り合い率が高い。そして、平均年齢は高めでちょっとおしゃれしている。

 まずはこの公演全体の演出を担当した弥勒忠史が舞台挨拶。それから演奏に移ります。指揮者でもある江崎浩司作曲の「スカジャン」で、ちゃんとスカジャンを羽織ってくるものだからそこで観客席がちょっと、ほっこりしました。続いてパーセルの器楽曲「チャコニー」の演奏です。・・・すみません、連日のイレギュラー仕事と午前中の遠足のせいでときどき気が遠くなりました。

 続いて『タンクレーディとクロリンダの戦い』。歌手は主役の二名と、物語をうたいあげる「テスト」だけのシンプルな舞台です。歌手たちは下手に座り、歌うときにだけ席を立ちます。演奏会形式でももちろんOKなところを、この演出ではこのふたりに扮した日舞の踊り手を舞台にあげ、暗闇のなかでの激しい戦いからクロリンダの死までを演じさせるという趣向でした。厳密に言うと「劇的カンタータ」に分類されるそうです。面白い。

 休憩をはさんでパーセルの『ダイドーとイニーアス』。もちろんヴェルギリウスの『アエネーイス』(イニーアスはアエネーイスの英語読み)に基づいています。ギリシアとの戦いに破れたトロイの王子イニーアスと、かれを助けたカルタゴの女王ダイドー(ディド)の悲恋物語。
 この話の舞台を、バリ島にしているのです。だから衣装がきらびやか。ダイドーに呪いをかける魔女も、バリの悪魔のお面をかぶって登場します。 
 女王なんだからさ、恋人と別れても自殺なんかしないでよ(悲しみに胸が破れての死ならば許容範囲)とは思うのですが、オペラだから。たおれたダイドーの上に赤い花びらがふりそそぐ終幕は美しかった。

 演出の弥勒さんも書いているように、「ふたつの愛の死」の物語なんですね。で、両方とも女性が死ぬという(オペラではふつう)。
 全体としては、これは思わぬ拾い物でした。横須賀まで足を伸ばした甲斐があったな。演奏および歌も満足だったし、演出の趣向もこれはこれでアリだと思いました。

 さて、14日には我が家から一番近い洋館で行われるバレンタイン・コンサートに。
090214vc1-s.jpg
 カンツォーネ中心かと思ったら、第一部はスペインやブラジルの比較的新しい歌(ヴィラ=ロボスとか)で構成されていて、ちょっと嬉しい驚き。
 すぐ近くで生演奏が聞けるというのは嬉しいものですが、声をはりあげるとちょっと聞いててつらかった。やはり、歌いなれているとおぼしきカンツォーネのほうが安心して聞けました。

090214vc2-s.jpg
 会場を飾る花もバレンタイン仕様で愛らしい。これはダイニングテーブルのまんなかを飾っていたもの。休憩には手作りのお菓子と紅茶も振る舞われた、アットホームなコンサートでした。

 3月には県民ホールと琵琶湖ホールの共同制作『トゥーランドット』を鑑賞予定です。あと、こちらはバレエですが、ものすごーく久しぶりにに『白鳥の湖』も。仕事とかほかの遊びとかを考えると、やっぱりコンサートは月に二回行けると嬉しいなというペースです。ゴールデンウィークはバッハ特集の「熱狂の日」があるので、5月はちょっとペースオーバーになりそうですが。

 最近買ったアルバム・DVD
・セニョール・ココナッツ『フィエスタ・ソングズ』
 ドイツ人なんだけどラテン大好きなアトム・ハートが組んだ別ユニット名という説明(ロックの名曲をラテンに読み替え、ということで薦めてもらったのです)セニョール・ココナッツが、「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のチャチャチャアレンジとか、「スムース・オペレーター」のマンボチャチャチャ、「ビート・イット」のメレンゲバージョンなんかをプレゼンツ。楽しかった!

・パトリシア・プティボン『フレンチ・タッチ』
 このあいだNHK教育で昨年の来日コンサート中継があって、これまたものすごく楽しかったフランスの歌姫・プティボンのアルバム。歌手である前に役者、とコンサートでは思ったけど(チケット買えばよかった)、『ラクメ』の「花の二重唱」など聴くとやはり歌だと思うのでした。

・魅惑のオペラシリーズで『ジークフリート』、『神々の黄昏』(クプファー演出、バレンボイム指揮) 今日、仕事をしながら『神々の黄昏』をチラ見していたんだけど、仕方のないこととは言え、ブリュンヒルデが延々と歌っているあいだ、ハーゲンは指輪を取りたいな~と思いながらウロウロウロウロ(結局ブリュンヒルデに槍を取り上げられバキッと折られて、形無し)。
 最後に響く「愛の救済の動機」を耳にすると、やっぱり目頭が熱くなる。
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