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* tag: ラテン  メキシコ 

* category: 展覧会

メキシコに染まる世田谷美術館 

2009.08.01
Sat
14:07

 晴れたのはいいけど灼熱の太陽。そんな7月30日、世田谷美術館・国立近代美術館のはしごをしました。

 砧公園にある世田谷美術館は、ときおりとても面白い展覧会をやるけれどわたしにとってはなかなか行きにくい場所です。でも今回友人が[田園調布からバス]という行き方を発見してくれて、だいぶ気楽になったと思います。時間はけっこうかかるけどね。途中、「エル・アミーゴ」という名前のステーキ&メキシコ料理店(!?)を見かけて、気になるねえと話し合ったり。

 目当ては「メキシコ20世紀絵画展」です。もちろん、今年の日本メキシコ交流400年記念事業の一環で、先日の大使館でのフォーラムでもチラシを配布していました。

(日本での)目玉はフリーダ・カーロの「メダリオンをつけた自画像」。
 利用可能なブログパーツなど発見できなかったので、とりあえずチケットと展覧会カタログです。タイトルの"Camino a la modernidad"は、「近代化への道のり」という意味です。
090730fr-s.jpg

 チケットを購入、展示室に入ってあいさつを軽く読んだあと燦々と陽光降り注ぐホールに出ると、そこにはフリーダの「メダリオンをつけた自画像」が。まるで赤子のように白いレースに囲まれたフリーダですが、これはメキシコ南部のテワンテペックに伝わる花嫁衣装だそうです。フリーダはこの地域のサポテカ族の民族衣装をよく身につけていました。

"novia tehuana"(テワンテペックの花嫁)で画像検索したところ、友人の結婚式の模様を撮ったこのページがヒットしました。 たしかに白いレースの襟です。テワンテペックの花嫁は白い衣装に金のアクセサリーという紹介を別の場所で見つけました。シケイロスのこの絵(今回は出ていません)でもそうだね。翻って結婚式写真セットですが、参列の女性たちの衣装の華麗な刺繍ももちろん素敵だけど、真っ白いワイシャツと黒ズボンで統一した男性陣もなかなか粋ですね。

 メダリオンのモチーフは鳩。平和のシンボルでもあるし、フリーダの愛称でもあったそうです。
 また、大きな画像で見ていただかないとわかりにくいですが、この絵のフリーダは三粒の涙を流しています。

 今月のメキシコ旅行では必ずフリーダとリベラの家も訪問するつもりです。90年代はじめに行ったときにも訪問予定だったのですが、町中で拾ったタクシーの運転手はその存在を知らず、結局メーターもないタクシーに乗ってぐるぐるまわるのに嫌気が差して途中で下りてしまったので今回がはじめてになる、はず。

 イヤホンガイドを借りてゆっくりまわりましたが、一枚一枚の絵にもかなりていねいに解説がついているから、無理にいらないかも。一方、展覧会カタログはごらんのとおりちょっとバラガンみたいな配色でおしゃれでしかも1500円ですばらしいと思ったのですが、通常のカタログのようにたっぷりと紙幅をとって紹介されているのはわずか14点で、残りは1ページにつき4枚の割合で絵&最小限の情報だけが掲載されていました。こちらは解説など、なし。こちらだけで作品紹介されている画家については情報などもなし。もったいないなあ。

 ついでに出品作品一覧も不思議な構成でした。作家の姓のアルファベット順でしたけど、こういうのって珍しいよね? どのセクションに配置されているかは書かれています。個々の作品はもちろんですが、どのような順番で配置してどう流していくのかというのも展覧会にとっては大切な要素だと思うので、せめて出品番号順(あればの話ですが)にしてほしかったなあ。

 さて、ぼやきは置いておいて。
イコンのようなフリーダ特別室をあとにして進んだ展覧会は三部構成になっていました。 いわゆる「メキシコ的」であったり、20世紀ならではのものだったりする主題ベースでの構成です。
 
・第1章:文明の受容 1-1歴史的事件や当事者など 1-2愛国心の寓意
・第2章:文化の発信 2-1国内に向けての発信 2-2国外に向けての発信
・第3章:進歩 3-1社会的側面 3-2美的/様式的側面

 個別の画家の作品では、オロスコの6枚が最多。リベラとフェルナンデス・レデスマが各5枚で続き、北川民次と村田簣史雄(きしお。知らなかったけど好きです)の2名の日本人を入れて総勢32名の作品が展示されています。

 もちろん、ほとんどは知らない画家だったんだけど(フリーダと壁画三大巨匠とルフィーノ・タマヨくらいしか知らなかった)、これはいいなあという作品にも出会えました。サトゥルニノ・エランの技法のたしかさ。このページで紹介されている作品の様式性は、どことなくミュシャを思い起こさせます(チョイスされた作品が二枚をのぞいて違うので、会場ではぜんぜんそう思わなかったけど)。ガブリエル・フェルナンデス・レデスマの激しい色彩と人物の描き方に親しみを覚えたり。このページのトップに配置された「恐ろしい災難」とかね。

 また、表現ベースで見ても興味深かったです。このごろはすっかり壁画運動の巨匠たちとして脳裏に定着していたリベラ、オロスコ、シケイロスの(通常の?)絵画作品がそれなりに見れたのも嬉しいところでした。50年代にシケイロスが描いた「進歩の寓意」や「5月1日の行進」などがけっこう未来派的だなあとか、圧倒的破壊を描いたオロスコの「亡霊たちIV」(1947)は、画面を構成する事物においてピカソの「ゲルニカ」を経てきたことがあきらかだなあとか、ヨーロッパ時代のリベラが描いた「字を書く子ども」はルノワールまるだしだわとか、それぞれの絵画表現がやはりその時代を映していることを楽しみました。

 さて、これだけでは終わらないのが今回のすごいところ。
 まずはメキシコのシンボル? 骸骨カトリーナを生み出したホセ・グアダルーペ・ポサダの版画展。ラ・カトリーナの図版もなんとか展示してくれるとよかったなあと思いつつ、骸骨が演じるさまざまなグロテスクを見てまわる。

 それから二階にあがり、収蔵品展「利根山光人とマヤ・アステカの拓本」を。
 画家本人の作品はさておき(すみません)、さまざまな遺跡に行ってとったという拓本に圧倒される。書籍で見たことのあるパレンケのパカル王の王墓石棺のレリーフなど、その細密、大きさに見入ってしまいました。

 拓本展示のラストには、自分も拓本をやってみよう! と、クーピーペンシルや紙が置かれていました。 楽しい。

 仕上げにレストランでメキシコ料理といきたかったのですが、あいにく時分どきで満員、行列アリ。あきらめて別の場所で昼食にしようと、灼熱の屋外へと。

・・・
 8月2日(日)の新日曜美術館でこの展覧会の特集をするとの話。これもまた楽しみ、寝過ごさないように録画をセットして寝よう。
 
 リンク:世田谷美術館のインデックスページ、今回の出品作もある程度載ってるメキシコサイトのページ(pdf)、新日曜美術館の関連ページ
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この記事に対するコメント

一層メキシコづいてきましたね!
楽しみですね。
こんなの見つけましたよ。(笑)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090803-00000012-jij-int
【2009/08/03 11:57】URL | もりしぃ #- *編集*

もりしぃさん、こんにちは!
 今日はうちで仕事していたのですが、午後1時のニュースでは映像つきで報道されていました。なんにせよ、病気や事故にあわないように気をつけて行ってきます。 
【2009/08/03 23:04】URL | かんべえ #ATiOFJ7c *編集*
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