* thread: 美術館・博物館 展示めぐり。 * genre: 学問・文化・芸術
* tag: ラテン* category: 展覧会
黄金の都シカン展に一日ブログ記者として行ってきました
2009.09.19
Sat
00:38
10月12日(奇しくもコロンブス一行のアメリカ大陸到達記念日)まで上野の国立科学博物館で開催されている「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金のシカン」展に行ってきました。

このポスターはちょっとあれかな~。まあ、金には神通力があるからなあ。
じつは展覧会開始直後の7月にも足を運んでいたのですが、忙しさにかまけて記事などは書かずに置いてあったところ、takさんの弐代目・青い日記帳で「一日ブログ読者」募集のお知らせを教えてくださり、喜んで応募したという次第です。
→本人は入場無料・写真撮影OK(展示物のクローズアップはNG)・特製グッズのお土産まである盛りだくさん企画です。ぜひ、ほかの展覧会でも続いてほしいものです!
詳しくはこちらから。残念ながら定員に達して〆切だそうです。←拡大したのか? 19日午後に見たら募集していました。とりあえず訂正します。

記者に認定されるとメールが送られてくるので、必要事項を印刷&署名してチケット売り場に提出。すると、係員さんからお土産&記者証を渡されます。そして中に。
さて、二回行った結論からお話すると、
・最後の3Dシアターに限らず、マルチメディア利用の展示なので、ツールはフルに利用するとより楽しめます。そこんとこ、やっぱりテレビ局後援っぽい。
・逆に言うと、展示物のキャプションだけだと
「もうちょっと説明がほしい」
と思うかも(実際、そういう感想をネットで見かけました)。オーディオガイドは有料だし、借りるかどうかは好き好きですが、随所に配置されている紹介ビデオは見たほうがよいと思います。これからの方は、ぜひどうぞ。
エスカレータを下り、右折して展示室に入ると最初はプロローグ映像です。そこから
・第1部 シカンを掘る! 考古学者の挑戦
ペルー北部海岸地域で展開したシカンSica'n文化の発掘および調査は、日本人研究者・島田泉 南イリノイ大学教授が当初から責任者としてかかわってきました。そのつながりから、現在現地ペルーには日本の援助でシカン博物館が立てられたそうです。リンクはこちら。スペイン語だけの様子。
今回展示されていたのは、大部分が中期シカン(950年から1100年頃)のものでした。

発掘のようすをおさめた写真や、道具の展示。
発掘に従事する現地のひとびととの記念写真などもありました。
[シカン]Sica'nというのは、現地の古いことば・ムチック語で「シ(月)の神殿」という意味で、島田教授が命名したそうです。それまでは、最終的に14世紀にシカンを征服したチムー文化に含まれて考えられることが多かったこの地域の文化的独立性を確立することが目的で、ほんの25年ほど前、1983年に命名がなされました。だから、今回調べてみると、まだスペイン語や英語では、[シカン]という名称と[ランバイェケLambayeque]という名称が併存している状態のようです。ランバイェケというのは、シカンを含む周辺の地理的名称です。
・第2部 シカン文化の世界-インカ帝国の漂流
今回、わたしが一番わくわくしたのは、この展示ケースでした。

シカンにあるロロ神殿の東の墓を立体的に再構成したものです。背景に写っている人物像は、墓の主が副葬品を身につけるとこうなる、という想像図です。
写真ではわかりにくいので、シカン文化学術調査団ウェブサイト、写真と地図のページを引用します。
ちょっとスクロールして、「ワカ・ロロ 東の墓」という項目の上段右から二番目に、墓の様子をイラスト化したものがあります(ワカ huacaというのは「聖なるもの」で、巨岩、偶像、そして神殿や聖地などとも理解されます)。会場で売っている『古代アンデス文明を楽しもう』(これもお薦め!)にも掲載されています。
ケースでは下から二段目、イラストでは下から四分の一くらいのところに透明な膜に包まれて逆さになっているのがこの墓の主とされる男性です。
この男性、首から下は前述のように逆さになっているのですが、頭部は切り離されてふつうの上下(つまり、体から見ると逆さ)に配置されているのです。異様です。
この墓には、おびただしい豪華な副葬品(総重量1.2t、金銀がぎっしり詰まった黄金の箱もありました)のほかに、ほかの人間も埋められていました。
特に目を引いたのが、最下層に置かれたふたりの女性です。ひとりはあぐらをかいて壁面によりかかる形、そしてもうひとりは仰向けになって足を立てています。殉死しただけの女性たちならば、どうしてこんな格好をしているんだろう?
ネットで調べていたところ、1996年にTBSが製作した番組(を、ペルーで吹き替えて放送したもの)を発見することができました。そこで島田教授は、[ふたりの女性は妊婦と助産婦なのではないか]と言っています。頭を下に生まれていくこどものように墓の主が再生することを祈っての配置ではないか、ということでした。
この男性がかぶっていたのが、この記事の最初に置いたポスターの中央に配置された「黄金大仮面」です。

「月」を意識したケースのなかに置かれた黄金大仮面。
今回、ケースや展示方法を見るのも楽しかったな。

黄金大仮面のお向かいにできていた光の交差。展示ケースの側面に三日月の切り込みが入って、こんな形になりました。

こちらは、神殿の階段をイメージ?

展示ケース上部の鍵穴隠しだって、有翼のシカン神イラストなのだよ。

オーディオガイドの番号札もこの通り。

展示室中心には、ロロ神殿をイメージした大きなケースも。日干しレンガでできてるのでこの模様なんでしょう。
さて、島田教授のグループが発掘した大規模な墓は「東の墓」だけではありませんでした。
ロロ神殿正面からのびる大きな通路をはさみ、ちょうど向かい合わせのような配置で「西の墓」が発見されました。
こちらも中心となる人物は男性。そして、科学的調査により、東の墓の主がおじ、西の墓の主が甥ということがわかったというのです(図録では「おじと甥または従兄弟同士」と考えられているとありました。p.301)。
さらに、2006年に発掘されたロロ神殿西側スロープ脇から、女性を主とする墓が発見されました。墓の主になるほど高位の女性の存在はそれまで想定されていなかったとのことで、シカンの社会構造の考察に大きなインパクトを与えたことでしょう。
さて、展示品の紹介に戻ります。

シカンは周囲との交易も盛んで、形状や色の美しさから尊重されたウミギクガイ(左)やイモガイ(右)など、ごく近くでは採れない貝も副葬品のなかにありました。こちらはエクアドル沖の熱帯海域で収集されたものとのことです。

貝をそのまま愛でただけでなく、原料にしてペンダントや小人像などの工芸品も作られていました。こちらは、先スペイン期末期の貝殻細工職人(15世紀後半~16世紀前半)の墓から出土。

壺なんかもなんとなくユーモラス。
左側の魚はわかりやすいですね。真ん中はとうもろこしを型取り、飾りにとうもろこしの神がついているもの。右はカモ型の取っ手付です。

右手はシカン神の像を織り込んだ多色タペストリ。それを図像化しているのが左です。
上は、ミイラ包みの飾り帯だそうです。

儀式用のケロ(縁の広がったカップ)、左が銀製で右が金製。どちらも、シカン神の顔がちゃんと見えるように置くとケロとしては上下逆さまになります。なぜそのような形にしたのかはわからないとのこと。また、ここでは対のように展示されていますが、盗掘だったため、もともと同一の墓に納められていたかは不明。

こちらは装飾つきの木製輿です。こんな形で背負って運んでいた? という推測に基づいた展示。
この輿の背中にあたる装飾がすばらしい。

最後の最後はミイラ包みでした。

ちょっと唐突な感じでした。これだけ、ちょっと離れたブルホ遺跡から出てきたものだし。
締めくくりは、3Dメガネをかけてのシアターです。約10分。
常設展へと抜ける通路には、アンデスのまふまふ動物・アルパカやリャマの紹介ボードがありました。

アルパカの毛も触れます。
そして売店。

インカコーラ、もちろんあるでよ(甘いですよ)。
そのお隣のカムカムドリンクはけっこう好きで、ときどき買います。ビタミンたっぷり! ちょっとお高め。

図録&オフィシャル・ガイドブック『古代アンデス文明を楽しもう』、どちらもお薦めです。
図録は、展示品の写真や説明ももちろんですが、シカンに関わるこの30年の調査の集大成が詰め込まれています。論文は全部は読めてはいませんが・・・。
自分はシカンの末裔であると信じて発掘に携わってきた現地のひとびとの求めに応じてDNA分析が行われた話など、ちょっとドキっとしてしまいました。
発掘担当者24名のサンプルを分析した結果、かれらの「少なくとも母系の系統は、ヨーロッパでもアフリカでもなく、またインカなどの山岳地域の集団でもなく、この地に古代に栄えた文化を担った人々につながることがあきらかになった」(p.296)そうです。よかった。
また、終わり部分には、「シカン文化学術調査団(PAS)の歩み」もあります。PASお抱えのコックさんはとっても優秀で、外部のひともあっと驚くおいしいごはんだとか。
前述のTBS画像(をスペイン語訳してペルーで放映したもの)によると、シカンは宗教都市の色彩が濃く、中期シカンの滅亡もその都市としての役割に関わると考えられています。
中期シカンの滅んだ1100年頃、気候変動があり、このあたりは30年にもわたって強烈な旱魃に見舞われたことがわかっています。宗教センターとして栄えていたシカンの威光は地に落ち、やがて火をかけられた・・・現存するほとんどの神殿の上部は、焼け焦げているとのこと。
[後期シカン]は、1375年ごろチムーに滅ぼされます。
シカンにいた黄金細工職人たちがチムーに連れていかれ、やがてチムーがインカに破れると黄金細工はインカにも伝わりました。・・・というわけで「インカ文明のルーツ」というコピーにつながるんですね。
島田教授をはじめとするPASの発掘活動が順調に続き、いつか、ロロ神殿の基底部にあると推測される墓の発掘もかなうことを祈ります。
考古学って面白い! と改めて思った展覧会でした。
・・・
国立科学博物館によるウェブサイトはこちら。
シカン展はこの後、熊本・高地・富山・福岡に巡回します。
TBSによるシカン展ウェブサイトはこちらです。
企画を紹介してくださったtakさん、チャンスを与えてくださった主催者のみなさま、ありがとうございました。

このポスターはちょっとあれかな~。まあ、金には神通力があるからなあ。
じつは展覧会開始直後の7月にも足を運んでいたのですが、忙しさにかまけて記事などは書かずに置いてあったところ、takさんの弐代目・青い日記帳で「一日ブログ読者」募集のお知らせを教えてくださり、喜んで応募したという次第です。
→本人は入場無料・写真撮影OK(展示物のクローズアップはNG)・特製グッズのお土産まである盛りだくさん企画です。ぜひ、ほかの展覧会でも続いてほしいものです!
詳しくはこちらから。

記者に認定されるとメールが送られてくるので、必要事項を印刷&署名してチケット売り場に提出。すると、係員さんからお土産&記者証を渡されます。そして中に。
さて、二回行った結論からお話すると、
・最後の3Dシアターに限らず、マルチメディア利用の展示なので、ツールはフルに利用するとより楽しめます。そこんとこ、やっぱりテレビ局後援っぽい。
・逆に言うと、展示物のキャプションだけだと
「もうちょっと説明がほしい」
と思うかも(実際、そういう感想をネットで見かけました)。オーディオガイドは有料だし、借りるかどうかは好き好きですが、随所に配置されている紹介ビデオは見たほうがよいと思います。これからの方は、ぜひどうぞ。
エスカレータを下り、右折して展示室に入ると最初はプロローグ映像です。そこから
・第1部 シカンを掘る! 考古学者の挑戦
ペルー北部海岸地域で展開したシカンSica'n文化の発掘および調査は、日本人研究者・島田泉 南イリノイ大学教授が当初から責任者としてかかわってきました。そのつながりから、現在現地ペルーには日本の援助でシカン博物館が立てられたそうです。リンクはこちら。スペイン語だけの様子。
今回展示されていたのは、大部分が中期シカン(950年から1100年頃)のものでした。

発掘のようすをおさめた写真や、道具の展示。
発掘に従事する現地のひとびととの記念写真などもありました。
[シカン]Sica'nというのは、現地の古いことば・ムチック語で「シ(月)の神殿」という意味で、島田教授が命名したそうです。それまでは、最終的に14世紀にシカンを征服したチムー文化に含まれて考えられることが多かったこの地域の文化的独立性を確立することが目的で、ほんの25年ほど前、1983年に命名がなされました。だから、今回調べてみると、まだスペイン語や英語では、[シカン]という名称と[ランバイェケLambayeque]という名称が併存している状態のようです。ランバイェケというのは、シカンを含む周辺の地理的名称です。
・第2部 シカン文化の世界-インカ帝国の漂流
今回、わたしが一番わくわくしたのは、この展示ケースでした。

シカンにあるロロ神殿の東の墓を立体的に再構成したものです。背景に写っている人物像は、墓の主が副葬品を身につけるとこうなる、という想像図です。
写真ではわかりにくいので、シカン文化学術調査団ウェブサイト、写真と地図のページを引用します。
ちょっとスクロールして、「ワカ・ロロ 東の墓」という項目の上段右から二番目に、墓の様子をイラスト化したものがあります(ワカ huacaというのは「聖なるもの」で、巨岩、偶像、そして神殿や聖地などとも理解されます)。会場で売っている『古代アンデス文明を楽しもう』(これもお薦め!)にも掲載されています。
ケースでは下から二段目、イラストでは下から四分の一くらいのところに透明な膜に包まれて逆さになっているのがこの墓の主とされる男性です。
この男性、首から下は前述のように逆さになっているのですが、頭部は切り離されてふつうの上下(つまり、体から見ると逆さ)に配置されているのです。異様です。
この墓には、おびただしい豪華な副葬品(総重量1.2t、金銀がぎっしり詰まった黄金の箱もありました)のほかに、ほかの人間も埋められていました。
特に目を引いたのが、最下層に置かれたふたりの女性です。ひとりはあぐらをかいて壁面によりかかる形、そしてもうひとりは仰向けになって足を立てています。殉死しただけの女性たちならば、どうしてこんな格好をしているんだろう?
ネットで調べていたところ、1996年にTBSが製作した番組(を、ペルーで吹き替えて放送したもの)を発見することができました。そこで島田教授は、[ふたりの女性は妊婦と助産婦なのではないか]と言っています。頭を下に生まれていくこどものように墓の主が再生することを祈っての配置ではないか、ということでした。
この男性がかぶっていたのが、この記事の最初に置いたポスターの中央に配置された「黄金大仮面」です。

「月」を意識したケースのなかに置かれた黄金大仮面。
今回、ケースや展示方法を見るのも楽しかったな。

黄金大仮面のお向かいにできていた光の交差。展示ケースの側面に三日月の切り込みが入って、こんな形になりました。

こちらは、神殿の階段をイメージ?

展示ケース上部の鍵穴隠しだって、有翼のシカン神イラストなのだよ。

オーディオガイドの番号札もこの通り。

展示室中心には、ロロ神殿をイメージした大きなケースも。日干しレンガでできてるのでこの模様なんでしょう。
さて、島田教授のグループが発掘した大規模な墓は「東の墓」だけではありませんでした。
ロロ神殿正面からのびる大きな通路をはさみ、ちょうど向かい合わせのような配置で「西の墓」が発見されました。
こちらも中心となる人物は男性。そして、科学的調査により、東の墓の主がおじ、西の墓の主が甥ということがわかったというのです(図録では「おじと甥または従兄弟同士」と考えられているとありました。p.301)。
さらに、2006年に発掘されたロロ神殿西側スロープ脇から、女性を主とする墓が発見されました。墓の主になるほど高位の女性の存在はそれまで想定されていなかったとのことで、シカンの社会構造の考察に大きなインパクトを与えたことでしょう。
さて、展示品の紹介に戻ります。

シカンは周囲との交易も盛んで、形状や色の美しさから尊重されたウミギクガイ(左)やイモガイ(右)など、ごく近くでは採れない貝も副葬品のなかにありました。こちらはエクアドル沖の熱帯海域で収集されたものとのことです。

貝をそのまま愛でただけでなく、原料にしてペンダントや小人像などの工芸品も作られていました。こちらは、先スペイン期末期の貝殻細工職人(15世紀後半~16世紀前半)の墓から出土。

壺なんかもなんとなくユーモラス。
左側の魚はわかりやすいですね。真ん中はとうもろこしを型取り、飾りにとうもろこしの神がついているもの。右はカモ型の取っ手付です。

右手はシカン神の像を織り込んだ多色タペストリ。それを図像化しているのが左です。
上は、ミイラ包みの飾り帯だそうです。

儀式用のケロ(縁の広がったカップ)、左が銀製で右が金製。どちらも、シカン神の顔がちゃんと見えるように置くとケロとしては上下逆さまになります。なぜそのような形にしたのかはわからないとのこと。また、ここでは対のように展示されていますが、盗掘だったため、もともと同一の墓に納められていたかは不明。

こちらは装飾つきの木製輿です。こんな形で背負って運んでいた? という推測に基づいた展示。
この輿の背中にあたる装飾がすばらしい。

最後の最後はミイラ包みでした。

ちょっと唐突な感じでした。これだけ、ちょっと離れたブルホ遺跡から出てきたものだし。
締めくくりは、3Dメガネをかけてのシアターです。約10分。
常設展へと抜ける通路には、アンデスのまふまふ動物・アルパカやリャマの紹介ボードがありました。

アルパカの毛も触れます。
そして売店。

インカコーラ、もちろんあるでよ(甘いですよ)。
そのお隣のカムカムドリンクはけっこう好きで、ときどき買います。ビタミンたっぷり! ちょっとお高め。

図録&オフィシャル・ガイドブック『古代アンデス文明を楽しもう』、どちらもお薦めです。
図録は、展示品の写真や説明ももちろんですが、シカンに関わるこの30年の調査の集大成が詰め込まれています。論文は全部は読めてはいませんが・・・。
自分はシカンの末裔であると信じて発掘に携わってきた現地のひとびとの求めに応じてDNA分析が行われた話など、ちょっとドキっとしてしまいました。
発掘担当者24名のサンプルを分析した結果、かれらの「少なくとも母系の系統は、ヨーロッパでもアフリカでもなく、またインカなどの山岳地域の集団でもなく、この地に古代に栄えた文化を担った人々につながることがあきらかになった」(p.296)そうです。よかった。
また、終わり部分には、「シカン文化学術調査団(PAS)の歩み」もあります。PASお抱えのコックさんはとっても優秀で、外部のひともあっと驚くおいしいごはんだとか。
前述のTBS画像(をスペイン語訳してペルーで放映したもの)によると、シカンは宗教都市の色彩が濃く、中期シカンの滅亡もその都市としての役割に関わると考えられています。
中期シカンの滅んだ1100年頃、気候変動があり、このあたりは30年にもわたって強烈な旱魃に見舞われたことがわかっています。宗教センターとして栄えていたシカンの威光は地に落ち、やがて火をかけられた・・・現存するほとんどの神殿の上部は、焼け焦げているとのこと。
[後期シカン]は、1375年ごろチムーに滅ぼされます。
シカンにいた黄金細工職人たちがチムーに連れていかれ、やがてチムーがインカに破れると黄金細工はインカにも伝わりました。・・・というわけで「インカ文明のルーツ」というコピーにつながるんですね。
島田教授をはじめとするPASの発掘活動が順調に続き、いつか、ロロ神殿の基底部にあると推測される墓の発掘もかなうことを祈ります。
考古学って面白い! と改めて思った展覧会でした。
・・・
国立科学博物館によるウェブサイトはこちら。
シカン展はこの後、熊本・高地・富山・福岡に巡回します。
TBSによるシカン展ウェブサイトはこちらです。
企画を紹介してくださったtakさん、チャンスを与えてくださった主催者のみなさま、ありがとうございました。
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この記事に対するコメント
いいこと聞いた!
これ、ふしぎ発見で観ましたよ!
くそーー、ゲテ食ブログとは別の格式あるブログを作っていれば!
ちなみにリンク先で拝見した天皇家のお宝展はヤバい!
前に京都にいけなくて悔しい思いをしたのですが、
こんなに早く東京で観られるとは!!
これ、ふしぎ発見で観ましたよ!
くそーー、ゲテ食ブログとは別の格式あるブログを作っていれば!
ちなみにリンク先で拝見した天皇家のお宝展はヤバい!
前に京都にいけなくて悔しい思いをしたのですが、
こんなに早く東京で観られるとは!!
【2009/09/19 22:46】URL | ほんま #- *編集*
ほんまさん、こんばんは!
シカン展、公序良俗に反するブログでなければOK出ている感じがします。ぜひトライを!
そしてぜひ「限定20名」の皇室の名品展にもトライを! 横浜ブロガーの御大として!
わたしは残念ながら仕事で行けないのでj応募すら×です・・・でも前売りチケットはとてもきれいだしセットで買うとお得だし、ゲット済です

takさんのところで一緒に紹介されていた鯨と白象の屏風が目玉の展覧会は滋賀県のMIHO MUSEUMでしか見れないようです。日帰り鑑賞をあわてて調整中です~。
はじめまして。こんにちは。
「猫アリーナ」のcharotと申します。
私のblogをお訪ねいただき、有難うございます。
かんべえさんのお名前は、「弐代目青い日記帳」さんの
ところでも拝見しました。
秋は展覧会シーズンなので、観て歩くのも大変です。
今日も「シカン展」に行って来ました。
横浜も好きな街なので、楽しく読ませていただきました。
メキシコの写真もきれいで、面白いです。
今後とも、よろしくお願いします。
「猫アリーナ」のcharotと申します。
私のblogをお訪ねいただき、有難うございます。
かんべえさんのお名前は、「弐代目青い日記帳」さんの
ところでも拝見しました。
秋は展覧会シーズンなので、観て歩くのも大変です。
今日も「シカン展」に行って来ました。
横浜も好きな街なので、楽しく読ませていただきました。
メキシコの写真もきれいで、面白いです。
今後とも、よろしくお願いします。
charotさん、こんにちは!
こちらこそご来訪&コメントありがとうございました。
シカン展のブログつながりで訪問して、さっそくブックマークさせていただきました。
展覧会はもちろん、ちょっとクラシックな感じの喫茶店の記事も面白く拝読しました。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
takさん、こんにちは!
いつも充実した情報と楽しい記事をありがとうございます。
今回はtakさんのおかげで面白い経験をすることができました。
トラバ返しもありがとうございます。
『皇室の名宝』展、ブログ読者招待には応募できずにしょげていたのですが、オープニング&内覧の招待券をいただいてしまいました! こちらは午後なので間に合うため、今からウキウキです。
さすが!
ほんまさん、こんばんは!
日本中から選ばれし20名のブログ侍入りおめでとうございます!
ほんまさんならやってくれると思っていました・・・!
ほんまさんならではのユニークな紹介記事、楽しみにしています。
ほんまさん、こんばんは!
日本中から選ばれし20名のブログ侍入りおめでとうございます!
ほんまさんならやってくれると思っていました・・・!
ほんまさんならではのユニークな紹介記事、楽しみにしています。
興味深く拝見いたしました
はじめまして、こんにちは。
Takさんのところからお邪魔いたしました。
私も一日ブログ記者で観覧してまいりましたが、
みなさんそれぞれ、違うところに注目されていて、読むことで楽しみが広がりました。
細やかな情報が興味深かったです。
はじめまして、こんにちは。
Takさんのところからお邪魔いたしました。
私も一日ブログ記者で観覧してまいりましたが、
みなさんそれぞれ、違うところに注目されていて、読むことで楽しみが広がりました。
細やかな情報が興味深かったです。
yukaさん
こんばんは、はじめまして。
ご来訪&コメントありがとうございます!
残していただいたリンクをたどって、わたしもyukaさんの書かれた記事を拝読しました。彫金技術に注ぐ目もさることながら、ご自分で描かれた発掘の様子がすごい! 楽しい!
シカン展のブログ記者企画、ほんとうにありがたかったですね。
またほかの展覧会でもやっていただけると嬉しいですね。
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シカン展「1日ブログ記者」募集中です!!
上野、国立科学博物館で10月12日まで開催中の「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」
公式サイト
シカン帝国って何?どこの文化・文明??
同じアンデス山脈に存在した「インカ」や「ナスカ」に比べ知名度は低いかもしれません。でも、このシカン文明の発... 弐代目・青い日記帳 【2009/09/26 10:07】