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* category: 映画

2010年に見た映画(1)『抱擁のかけら』 

2010.01.27
Wed
23:42

 昨年、一昨年よりは多く見たいな、と思っています。

 まずは試写会ですが一本。
『抱擁のかけら』Loa abrazos rotos@ヤクルトホール(0126)
 スペインの監督アルモドバルの最新作(2009年作品)です。

 スペイン・日本どちらでも、キービジュアルはペネロペ・クルス演じるレナのアップ。
ただし日本では、ちょっとオードリーを思わせるコケットな微笑みを浮かべるレナの姿
abrazos.jpg
(公式ブログからお借りしました。映画のウェブサイトはこちら)なのに対し、スペインのサイトでは、なにかから逃げているかのような緊迫した表情をしています。そして、この映画の語り口そのものは[探求]や[謎解き]のモードだと思う。

 以前はふたつの名前(本名と筆名)を持っていた男=ハリー・ケインが、目の光を失い、本名を捨てて脚本家として生きている。
「一緒に脚本を書きたい。あなたの作品を映画化したい」
と言う男の出現は、封印されたハリーの過去を呼び覚ますきっかけとなる。

 物語は、現在と過去を行きつ戻りつしながら、レナとパトロンの馴れ初め、マテオ(ハリーの本名)とレナの出会い、やがて訪れた悲劇などをあきらかにしていく。

 マテオの前に姿を表したときの表情、笑顔のはっとするほどの美しさをはじめ、ペネロペの魅力満開です。とりあえず、公開前の作品だしストーリーのネタバレはなしの方向で。

 おもしろかった。けど、前作の『ボルベール』のほうが好きだな(ほかには『バチ当たり修道院の最期』、『神経衰弱ぎりぎりの女たち』、『アタメ』、『トーク・トゥ・ハー』などが特に好きです)。
 
 それにしても。
 それまでシリアスな作風で知られていたマテオがはじめて挑戦したコメディ『謎の鞄と女たち』の撮影現場や、映画そのものも随所で紹介されますが、これがまあアルモドバルの出世作『神経衰弱ぎりぎりの女たち』のリメイクとでも言うべきもの。主人公が待っている男の名前はイバン、睡眠薬入りのガスパチョ、ベランダに花がいっぱいのペントハウス、燃えるベッド、約20年も閉じ込められていた精神病院から出てきたイバンの妻(なつかしのロッシー・デ・パルマがこの役を演じていてうれしかった)・・・。アルモドバル自身は、日本の公式サイトの「プロダクション・ノート」で懐古的動機を否定しているけど、ここまでだとちょっとなー。と思ったのもたしか。

 あと、アルモドバルの作品にはノンバーバルコミュニケーションが出てくると思うのですが、今回はレナの動向を撮ったフィルムの唇の動きから会話を「読む」専門家が出てきました(『ボルベール』で主人公ライムンダの姉ソーレを演じたロラ・ドゥエニャス)。真剣なシーンなんだけどなんとも言えないユーモアがあるのが好き。手話通訳だと『ハイヒール』の主人公がキャスターで、その隣には手話通訳の女性がいるんだけど、ある日主人公が生放送中に突然
「わたし、もうどうしたらいいか。夫はわたしの横にいるこの女と浮気してるし」
とか言い出して(うろ覚えですが)、手話通訳はパニックになりながらも通訳して・・・というのがあったなあ。また見たい。
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