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* thread: ライヴレポ・感想  * genre: 音楽

* tag: メキシコ 

* category: コンサート、演劇

2010年、コンサート(1) チェロ・デュオ Pik Nik@セルバンテス文化センター 

2010.01.30
Sat
14:33

 図らずも今年の初映画はスペイン映画(『抱擁のかけら』)、コンサートもスペインのデュオとなりました。幸先よし(?)。6月のスペイン行きのチケット、もう取りましたし。コペンハーゲン経由で、三日ばかり遊んでから行きます。

 というわけで1月29日(金)、セルバンテス文化センター・オーディトリアムで行われた音楽+詩のイベントに行ってきました。出演はバルセロナ出身のデュオ、ピク・ニク Du'o Pik Nik。寡聞にして知らず、でしたが、詩作品がミゲル・エルナンデス(スペイン)ということで、後輩を誘って楽しみにでかけました。コンサート前には、セルバンテス7階にあるメソン・セルバンテスで初ごはんもしたのですが、これは次に書きます。

 コンサートのお知らせはこちら
 2010年上半期にスペインがEU議長国をつとめる記念行事その1ということで、オーディトリアムに入ってみると前3列ほどはばっちり貴賓席、かなり外国公館からのお客様が多い様子でした。案内もスペイン語、英語、日本語で行われました。

 プログラムはこんな感じ。一部と二部の間にちょっとだけブレイクがあり、合計一時間ほど。その後二階でスペインワイン(今回は白だけかな)が提供されました。

 Du'o Pik Nik : チェロはマルタ・ローマさん(Marta Roma)とイニャキ・エチェパレさん(In~aki Etxepare)。
 イニャキさんがYou Tubeに持っているページはこちら
右側のメニューにある"Pik Nik cello duo"で、昨晩の演目の多くを見聞することができます。ただし、ビデオでは詩は別のひとが演じていたのに対し、昨晩はデュオのふたりが分担していたという違いがあります。

・第一部
 楽曲はボッケリーニ Luigi Rodolfo BOCCHERINI(Lucca,1743-Madrid,1805)。イタリアの音楽家ですが、後半生はマドリッドで過ごしたそうです。かれの手によるフーガに、スペイン27年世代の詩人ミゲル・エルナンデス Miguel Herna'ndez (Orihuela,1910-Alicante,1942)の詩をからめていきます。

 Fuga I - Las manos(「手」)
 Fuga II - Las manos(「手」後半)
 Fuga III - Por tu pie(「きみの足に」)
 Fuga IV - Vientos del pueblo me llevan (「民衆の風がわたしを運ぶ」)
 Fuga V - Vientos del pueblo me llevan(「民衆の風がわたしを運ぶ」後半)
 Fuga VI

 演奏だけの時間あり、そして曲をバックに詩の朗読あり。
 最初の「手」は交替で詩を読んでいました(もうひとりがバックで演奏)が、男性から女性への恋愛詩「きみの足に」はイニャキさんが情感たっぷりに。
 楽曲はゆるやかなフーガで、「そうか、こういうふうにからめてみたのね」という感じ。

 エルナンデスの「民衆の風がわたしを運ぶ」の、スペインのさまざまな民を列挙していくくだりはやっぱりいいなあ。詩そのものの力を強く感じました。
 この「民衆の風がわたしを運ぶ」はスペイン内戦、ひいては民衆の戦いを象徴する詩のひとつとして、歌もいろいろとついていたりするのだけど、詩としての朗読を探してみたらまあまあなのはこちらかな。なぜか頭が切れているけど。

・第二部
 今回のコンサートの真骨頂はこちらでした。
 現在も活動中のスペイン人作曲家とのコラボレーションで、最初からニコラス・ギジェンに合わせることを意識して作られています。ギジェンの詩が出るというのは当日までわからなかったので、わたしにはうれしい驚き。
 楽曲:サムエル・マイネス Samuel MAYNEZ (Mexico E.F.,1962)
 詩:ニコラス・ギジェン Nicolas GILLE'N (Cuba-Camaguey,1920-La Habana,1989)

 Huapango 「ウアパンゴ」(詩はからまず。イニャキさんがYou Tubeにプロモビデオをアップしています。ロケ地メキシコ)

 Minueto「メヌエット」& "Un son para nin~os antillanos"詩「アンティーリャス諸島の子どもたちへのソン」
「船そして船」barco, barcoとか「島また島、島」isls, islas, islasなどの繰り返しをユーモラスに、たたみかけるように読み上げるのが楽しい。ちょっとことば遊び風。それまでわりと声がちいさいなーと思っていたイニャキさんが、じつに楽しそうに演じた。

 Marchata「マーチ」& "Son 6" 詩「ソン6番」
 マルタさんが立ち上がり、舞台を歩きまわって語る。
 このごろ年に一回くらいのペースでルネサンス期の吟遊詩人音楽など聴いているのですが、ちょっと似た趣。

 楽曲「タンゴ」

 Elegi'a del recuerdo「追憶のエレジー」& 詩"El negro mar" 「黒い海」
 ところで、入場のときにもらったパンフレットはスペイン語の原詩に日本語の対訳がついているのですが、冒頭にばーんと「*日本語意訳」と書いてあり、誰が訳したかも記されていません。ちゃんと示してあげればいいのになーと思っていたのですが、この詩の訳はちょっといろいろ、まずかったので、自信がないから「意訳」とあえて書いたのかもと・・・。

 Danzon con un poco de tango y salsa「ちょっとタンゴとサルサをからめたダンソン」
 この曲は美しかった・・・。あとで買ったCDに入ってて嬉しい。&(なのか?) Mulata 詩「ムラータ」
 キューバの黒人なまりをそのまま表記したと思われる癖のある詩。
 なので、イニャキさんがこれまたけれん味たっぷりに、声も作って演じました。

 ここまでで予定されていたプログラムはおしまい。
 一度引っ込み、その後、[日本に来たおかげで再会できた]という少年チェリスト(うえのみちあき、漢字不明)をともなって再登場。一曲はイニャキさんとマルタさんが日本語の和歌っぽいのを朗誦してからはじまりました。10日前にできたばかりという新曲。そしてもう一曲。

 HuapangoのCDを買い、急遽開催されたサイン会で並んでサインしてもらいました。
 来日は火曜日でこのあとは東京都の美術館でコンサート(今日のはず)、そして日曜日にはもうマニラに行くそうです。マニラでもセルバンテスで演奏。北京のセルバンテスには行かないの? と聞いたら、残念ながら今回の予定には入っていないとのことでした。

 さて、その後のワイン会はちらっとだけのぞいて入らず。二階の反対側で開催中のジョルディ・ラバンダ『コジ・ファン・トゥッテ」を見て帰りました。ラバンダ、名前は知らなかったけど、スペインでは香水のパッケージとかノートのデザイン(というか絵)で見たことがありました。
 今調べてみたら男だった! ジョルディ(=ジョージ)なのに勝手にわたしは女の人と思い込んでいたようです。ウェブサイトはこちら。コジのデザインにおけるインスピレーションの源として、オードリーとかグレース・ケリーなどの写真がコラージュされていました。むべなるかな。あ、今年はじめて見た展覧会もスペインものになるのか?

 じつは、今年はじめて(で、ひょっとして今年一番)の豪華ディナーもスペインつながりになりそうです。またご報告しますね。
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