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* thread: メキシコ  * genre: 旅行

* category: メキシコ2009夏

へそのへそ、カテドラルへ@メキシコシティ 

2010.02.07
Sun
13:38

 メキシコシティの[へそ]、ソカロ(またの名を「憲法広場」)の一角を占める大きな建造物、Catedral Metropolitana。
090811ct2-s.jpg
 
「首都大聖堂」という意味で、メキシコのみならずラテンアメリカ全体を見渡しても最大のキリスト教建築物です。奥行き59メートル、幅110メートル、そしてキューポラの最後部は60メートルの高さだそうです。正面からの写真がいまひとつうまく撮れなかったので、これは国立宮殿側から。

 現在の形になるまでには3世紀におよぶ建築工事。細かく見ていくと、ルネサンス様式はもちろん、バロック、新古典と、移り変わる建築モードがこの[ひとつ]の大聖堂に併存しているそうです。
 気になった細部をいくつか。
090811ct11-s.jpg
090811ct3-s.jpg
090811ct4-s.jpg

 1524年、征服者エルナン・コルテスがこの聖堂の礎石を置きました。征服・破壊されたテノチティトランの大神殿(Templo Mayor)から取られた石を建材として使用しています。
090811ct1-s.jpg
 メダイヨン状になっている部分の彫刻、見えるでしょうか。
 メキシコ国旗にも用いられている、[湖に置かれた石から生えるサボテンにとまり、蛇をくわえる鷲](メキシコシティの基盤となった、メシーカ族のテノチティトラン建造伝説から取ったもの)が刻み込まれています。

 中に入ります。
090811ct7-s.jpg
 ぱっと見の佇まいは、「うん、たしかにカトリックの大聖堂」というものですが、細部に注目してみます。

090811ct9-s.jpg
 黒いキリスト像。スペインでも見ないわけではありませんが、やはりメキシコの混血性などに思いをはせてしまいます。

090811ct5-s.jpg
 メキシコそのものの守護聖母、グアダルーペの聖母。

あれ? と思ったのがこちら。
090811ct8-s.jpg
アップ。
090811ct6-s.jpg
たくさんの南京錠&リボンです。
左側にあった説明を読んでみました。

 リボンに印字されているのは「サン・ラモン・ノナト(聖ライムンド・ノンナート)」、妊婦の守護聖人。ほかに、噂や陰口、偽証から守ってくれるとされます。お産で命を落とした母の胎内から救い出されたことから、ノナト(ノンナート)「未生の」「生まれそこない」というふたつ名になりました。スペインの聖人で、若いころから修道会に入り、イスラム教徒にとらえられたキリスト教徒の救出活動を行いました。多額の身代金をたずさえてアフリカに行った際、とらわれのキリスト教徒の身代わりに投獄されることを選び、獄中で神の道を説きました。また、かれの説教を聞いてキリスト教に改宗したイスラム教徒がいたことをとがめられ、死ぬほど鞭打たれました。

 そしてなぜ南京錠がアトリビュートになっているかというと・・・ああ、出たよ! という気分です。

→厳しく罰せられてもやはり説法を続けようとするかれを黙らせるため、イスラム教徒はかれにさるぐつわをかませ、南京錠をかけました。食事のときにだけこのさるぐつわは外されました。

 その後かれは救出され聖職者として出世し、後日聖人に列せられました。

 というわけで、この聖人をあがめるひとたちは、南京錠を閉めて捧げ、かつ鍵は献金箱に投げるそうです。そうすれば「開かない」。口が軽いひとも、口をすべらさないようにと祈るとか。

 この首都大聖堂では、とくに妊婦の守護聖人として、毎月決まった日にミサをとりおこないます。

・・・・・
 こういう民間信仰みたいな話に興味があるので、えんえんとメモってしまいました。

 さてもう一枚。090811ct10-s.jpg
 こちらはチャルマでもTシャツが売られていた、タダイのユダに捧げられたもの。
困難に直面したひと、絶望したひとをすくう聖人だそうです。
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この記事に対するコメント

ナポリを調べていて初めて“守護聖人”の存在を知ったのですが、
キリスト教圏の文化には欠かせないものみたいですね。

ナポリは確か“血液の液状化”でしたがメキシコは“南京錠”とは。
一つ一つ知っていく事が興味が深くなる事に繋がりそうです。

前に、黄泉の那のなかでの、“食べ物を口にする”事を書いていられましたよね、
今でもあの記述を考える事があるのですよ。

日本人の生死観を顕していくなかに食物を同じくしていく事が鍵として出てくるのが、
なんとも考えさられてしまったりしています。

【2010/02/07 21:58】URL | いその爺 #- *編集*

いその爺さん、こんにちは。
 コメントありがとうございました!

 とくにカトリックでは、神とひととをつなぐものとして聖人たちは大活躍です。アトリビュート(もちもの、特徴)を知っていると、イタリアはもちろん、スペイン、フランスなどの教会美術や古典的絵画をぐっと楽しむことができますよ。殉教聖人の多くが、自分を拷問した器具をアトリビュートにしているのはちょっと理解に苦しみますが・・・。

 日本人の死生観についての興味深い考察、お聞かせいただいてありがとうございます。
 いただいた書き込みで思い出したのが、小説ですが赤江瀑の「罪喰い」という短編です。←死者の罪を引き受けるために行う特殊な儀礼が描かれていたと思います。
【2010/02/08 09:11】URL | かんべえ #SqoPBuKQ *編集*
ああっ
高尚過ぎて話題に入れない…というのは半分は本気ですが、カテドラルについてはこの記事で勉強させていただきました。
当時は仕事と生活の維持でエネルギーの大半を使ってしまっていたので、振り返ると少々残念です。

日本を回っていても同じですが、歴史を含んだ文化的背景を知っているとより多くの楽しみを得られますよね。
ちなみに、ワシはローカルB食の事前調査でエネルギーを使ってしまい、文化レベルの探訪がとんと出来ておりません(汗)
【2010/02/09 20:43】URL | とも2 #- *編集*

とも2さん

 こんにちは!
 単車ならではのフットワーク軽いとも2さんの旅、わたしはいつも新鮮に拝見しています。旅先B食調べ&お味見、楽しいです。

 わたしは食べ物も好きですが、旅先だと美術館とか町並み歩きのほうに先に関心が向くほうです。←これではブログのテーマと違うか(反省)。猫は調べてもどこにいるかわからないので、偶然の出会いを期待しつつカメラ片手に歩きます。
【2010/02/11 09:10】URL | かんべえ #SqoPBuKQ *編集*
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