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* thread: 美術館・博物館 展示めぐり。  * genre: 学問・文化・芸術

* category: 展覧会

こうしてわたしはカンディンスキーになった←みたいな、展覧会へ 

2010.11.23
Tue
12:02

 今日(11月23日)から丸ノ内の三菱一号館美術館で開催中の
『レンバッハハウス美術館所蔵 カンディンスキーと青騎士』展のオープニング&内覧会に行ってきました。毎度のことながら、友よありがとう。→展覧会公式サイトはこちらです。

 レンバッハハウスというのは、南ドイツ・ミュンヘンにある美術館の名称です。19世紀末に肖像画家として活躍したレンバッハの邸宅が未亡人によって寄贈され、美術館となりました。

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 雪のレンバッハハウス。2006年の3月に行ったときの写真を使います。絵の写真も、当時撮ったものです(収蔵品の場合、フラッシュをたかなければ撮影OKでした)。

 カンディンスキーは1866年にモスクワ生れで、法学と経済学を学んでいましたが、1896年に展覧会でモネの「積みわら」を見て衝撃を受け画家になることを決意、修業の地としてミュンヘンを選んだそうです。

今回の展覧会では、この
0603lb10.jpg
ように[カンディンスキー、(よく知られている)画風確立後。]の作品もあるのですが、こちらはあえて削ぎ落とし、以下のような構成になっています。

・序章
 レンバッハ、そしてカンディンスキーが師事したシュトゥック。[青騎士]の揺籃となった19世紀末ミュンヘンへの導入。

・第一章 ファーランクスの時代 旅の時代
年代的には1901年~1907年。1901年から1907年まで、カンディンスキーが後期印象派の様式にのっとり野外で作品を描いた時期にあたります。

 現在、レンバッハハウスにカンディンスキーおよび青騎士の重要コレクションが収蔵されているのは、カンディンスキーと1902年に知り合い、パートナーとなった(当時、カンディンスキーには家庭があったのですが)ガブリエーレ・ミュンターが80歳のときに自作を含む1000点超の作品を寄付したことによります。

 章題となっている[ファーランクス]は、1901年にカンディンスキーが仲間たちと設立した「美術学校を付設する小さな私的な展覧会協会」(展覧会カタログ収録のホーベルク著「ヴァシリー・カンディンスキーと『青騎士』」より。以下引用は同文献より)のことです。ミュンターはこの美術学校に入ってきた画学生でした。

0603lb3.jpg
 1907年、「多彩な生活」の部分。猫アップです。

 0603lb2.jpg
1903年、「花嫁」(来日しています。展覧会サイトでもっと鮮やかで美しい画像も見れます)。こちらはグアッシュを用いた[彩色ドローイング]シリーズの一枚。このころのカンディンスキーは、ロシアものともいうべきモチーフも重要だと思います。

・第2章 ムルナウの発見 芸術的総合に向かって
 ムルナウはミュンヘン近郊(さらに南、スイス寄り)の古いちいさな町です。
 1908年夏、カンディンスキーとミュンターのふたりはこの町に魅せられ、旧知の友アレクセイ・ヤウレンスキーと
マリアンネ・フォン・ヴェレフキンのカップルを誘います。
 ムルナウでの数週間は、「色彩を強調する表現主義的な新しい絵画への突破口」となったそうです。

0603lb4.jpg
 1908年、「ミュンヘン-郊外」。
 こちらも来日しています。[現実]の色彩に縛られない生き生きした画面は、三菱一号館美術館の展示室でもひときわ輝いていました。

0603lb5.jpg
 1909年、「ムルナウ近郊の鉄道」
 来日しています。
「ミュンヘン-郊外」と向かい合う配置で、こちらは黒々とした列車(この写真だとどうしても青っぽくなってしまってうまく修整できませんでした)が画面を支配しています。

・第3章 抽象絵画の誕生 青騎士展開催へ 
 1911年から1913年の作品を展示。
 今回の展覧会チラシ展、カタログ表紙にも使用されたカンディンスキーの「印象Ⅲ(コンサート)」は、カンディンスキーがマルクと一緒に聴いたミュンヘンでのシェーンベルクのコンサートをもとに描いた絵です。オーディオガイドには、このときにふたりが聴いたピアノ曲も収められていました。

 レンバッハハウス訪問時、カメラを手にけっこうまじめにいろいろ写真を撮ってメモしていったのですが、この絵は撮ってないみたい。わたしは表現主義は大好きなんだけど抽象絵画は[ものによる]ので、あったとしてもスルーだったのかもしれません。

というわけで、チラシ画像をウェブからいただいてきました。
1011kandblu.jpg
 右奥の黒い台形はピアノだそうです。まだ具象を引きずってはいますが、1911年のこの絵とそれ以前のものでははっきりと違いがわかるのではないでしょうか。

0603lb8.jpg
 1913年「<コンポジションⅦ>のための習作2」

・・・・・・・
 さて、これまではカンディンスキーばっかり貼ってきましたが、「と青騎士」部分を見にぜひ行っていただきたい! と思うのであります。

・ガブリエーレ・ミュンター
1909年「マリアンネ・フォン・ヴェレフキンの肖像」
 0603lb11.jpg
 来ています(展覧会サイトにはありません)。
 レンバッハハウス訪問時にはあんまり視野に入っていなかった(たぶん、「カンディンスキーのパートナー」止まりで)けど、今回「いいな!」と思ったのがミュンターの作品。簡略化された線でユーモラスに描いた仲間たちの絵(「耳を傾ける(ヤウレンスキーの肖像)」や「テーブルの男(カンディンスキー)」など)が楽しいです。

・フランツ・マルク(1880-1916)
1912年「虎」
0603lb6.jpg
 来ています。展覧会サイトでもっときれいな画像が見れます。
 虎年の最後を飾る大作と思って見に行こう! です。訪問当時のメモでもレンバッハハウスを代表する私的一枚。になっていました。
 写真はないけど、1911年「牛、黄-赤-緑」もきっと印象に残ると思います。

 マルクの絵(今回来ていないもの)をもう二枚。
0603lb7.jpg
 1911年「青い馬Ⅰ」

1011kds15.jpg
「猿」または「小猿」

 マルクと同じく青騎士メンバーで、第一次世界大戦に志願兵として従軍・戦死したアウグスト・マッケ
1011kds17.jpg
 1913年「花の絨毯」
 来日しています。

1011kds16.jpg
 1914年「トルコ風カフェⅡ」
 今回は来てません。
 クレーの[色彩発見]の契機になったチュニジア旅行には、マッケも一緒に行っていました。
 今回の展覧会には、[色彩発見]以前のクレーも一枚来てます。 
 
・ヤウレンスキーは、今回来ていたのはやはり「青騎士」期のものだけなのでクロワゾニズム的輪郭ばっちり! 真っ黒! ものなのですが、後期の「抽象的な頭部」から。
0603lb12.jpg

0603lb13.jpg

 現在、レンバッハハウスは改修のため閉館しており、おかげで重要コレクションが世界をまわっているということです。
 東京での展覧会は来年の2月6日まで。
 その後、愛知・兵庫・山口の各県立美術館を巡回します。

 さて、レンバッハハウス訪問時。
 展覧会を見てカフェで一服、外に出ても雪は降り続いていました。
0603lb14.jpg
 翌日帰国便だったのですが、日本の新聞にも[南ドイツで30年ぶりの大雪]と報道されたくらいのすごい積雪で空港バスも電車も止まり、タクシー探しに右往左往したなあ。飛行機は一時間半くらいの遅れでなんとか出たのでよかったですが、その後運休もあったようです。

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この記事に対するコメント
今昔物語
ふむふむ、最初に写真からザッと眺めた時は
「この雪景色は何? またドッカに行ったの?」
と思いまして、勝手にサプライズしてました。

過去のイロイロな思い出や経験とイマドキがシンクロするのって面白いですよねぇ…
【2010/11/26 00:28】URL | とも2 #- *編集*

とも2さん、こんにちは!

 コメントありがとうございました。
 古い写真を漁っていると記憶もよみがえってきて、ついでに調べ物なんかもしてしまっておもしろかったです(時間はかかりましたが)。
 それにしても、デジカメでオートフォーカスなのに昔の写真の手ブレ率の高さには我ながらびっくりです。つかえない~。
【2010/11/26 12:15】URL | かんべえ #SqoPBuKQ *編集*
こんにちは。
レンバッハハウス美術館に行かれたことがあるのですね。
雪景色の美術館というのも中々良いものです。

この展覧会のお陰で、前から観たいと思っていたマルクの作品を観ることが出来ました。
同じドイツ表現派といっても、画家によってかなり個性の差があるものだと思います。
【2010/11/27 08:35】URL | chariot #/8nqih4Y *編集*

chariotさん、こんにちは。
 
マルク、「動物」「色」というポイントもおさえられてて、わたしは大好きです。chariotさんのブログでも紹介されていましたね。

マドリッドのティッセン-ボルネミッサ美術館も表現主義のコレクションが充実していて、前からミュンヘンに行ってみたかったのですが、このときにようやく叶いました。
雪で飛行機が飛ばないかも? とか、その前のロマンチック街道であまりの寒さにデジカメのレンズが動かなくなったとかアクシデントはありましたが、いい想い出です。
【2010/11/27 12:28】URL | かんべえ #SqoPBuKQ *編集*
かんべえさん、こんばんは。
コメント有難うございます。
過分なお褒めのお言葉、恐縮です。
界隈ブログのつもりで始めたのが、いつの間にか半分アートブログになってしまいました。
かんべえさんの雪のレンバッハハウスの写真は大変寒い中で撮られたのですね。
とても臨場感があって、私も一度行ってみたくなります。
【2010/11/27 21:01】URL | chariot #/8nqih4Y *編集*

chariotさん
再度ありがとうございます。かえって気をつかっていただいてすみません。

この写真を撮ったのはデジカメのレンズがいかれた後で、室内ではまずまず問題ないのですが屋外ではまず手で温めたりしないとレンズが出てきてくれなかったなあ、というのも今となってはいい思い出です。

「東京のビルの多い町」のなかにあって、ゆったりできるおいしい喫茶店情報も楽しみにしています!
  
【2010/11/29 09:19】URL | かんべえ #SqoPBuKQ *編集*
カンディンスキーの猫
はじめまして。マルクが好きで三菱一号館美術館の展覧会をみてきた者です。
展覧会をみてレンバッハ美術館、修復が済んだら行ってみたいなと思いましたので、雪中の美術館レポート楽しく拝見しました。
ところで今回の展覧会の中程に写真が展示してあり、そのうちにカンディンスキーと猫ヴァスケの写真がありました。画家も抱かれている猫も自然にうつっていて、素敵でした。
ブログに紹介されている「多彩な生活」の猫のモデル(?)はあのヴァスケかしら?なんと楽しく想像したり。
【2011/01/04 20:09】URL | npk #- *編集*

npkさん、はじめまして。

コメントありがとうございました!
マルク、いいですよね。第一次世界大戦で命を落としていなければどんな画家になっていたかな、と思います(マッケもですが)。

カンディンスキーと猫の写真、見ました!
かわいかったです。
モデルかも? と考えると楽しいですねv-283
【2011/01/04 21:25】URL | かんべえ #SqoPBuKQ *編集*
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