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* thread: 美術館・博物館 展示めぐり。  * genre: 学問・文化・芸術

* category: 展覧会

『竹内栖鳳-京都画壇の画家たち』展 ブロガー内覧会(1) 

2012.10.21
Sun
23:10

 古今東西の美術への深い愛に溢れるブログ「弐代目 青い日記帳」(リンクはこちら)のtakさんが山種美術館(こちらです)と組んで企画してくださったブロガー内覧会に参加してきました。
 ・館長によるギャラリートーク
 ・takさんトーク(ツイッターやFacebook活用法)
 ・展覧会に合わせた上生菓子をひとつ
 ・写真撮影OK、しかも作品単体でもOK(今まで参加したブロガーイベントでは、作品だけの大写しはNGで、展覧会スペースの中で背景とともに、という条件がありました)。展覧会の紹介を目的とした記事内ならばウェブでのアップOK。
など、盛りだくさんな嬉しいイベントでした。参加費は800円。展覧会そのものの入場券より安い上、お菓子を含む特典いろいろだったのでこれはいい案だと思います。takさん、山種美術館のみなさま、すばらしい機会をありがとうございました。

 さて。
 山種美術館で竹内栖鳳と言ったら猫! 「班猫」ですね(わたしは「はんみょう」と思い込んでいたのですが、「はんびょう」が正しかったのだね。昆虫の名前に引きずられていたと推測されます)。
20121020y4.jpg
 どうしても映り込みしてしまうので、わざとばっちりシルエットが映っているのをご紹介します。
 鼻の頭のピンクが絶妙!
 エメラルドグリーンが印象的な眼の色は群青・緑青に金がさしてあり、印刷ではなかなか出ないそうです。来年のカレンダー用の写真は学芸員さんの腐心が実ってその難しい色がうまく出ているそうですよ。
 
20121020y25.jpg
 まえあしのアップ。柔らかい毛は面相筆で細かく描き、金・胡粉・黄土を使っています。
 館長談)西洋画だったら猫を描いても猫+背景となるはず。この作品では背景はまったく描かずに猫がポンと描かれ、下にうっすらと金泥、左上に落款と印章という空間構成に注目です。また、印章の朱の色にも画家によってこだわりがあります。 

 モデルになった猫は沼津の八百屋さんから譲り受けたという話。
20121020y7.jpg20121020y5.jpg
「(宋の)徽宗皇帝の猫だな」と栖鳳が漏らしたそうです。自分が描いた絵一枚と交換してもらって譲り受けたとか。そして沼図からはるばる京都まで連れ帰りモデルに。図録に載っていた学芸員さんの論文では「世話のために女中を一人つけていた」という説も紹介していました。
 この作品と栖鳳については『美の巨人たち』でもコンパクトにわかりやすく紹介しています(こちら)。 
 
 日本美術についてはただ好きで眺めてるだけで、技法や画材などについてもほとんど知らないので、館長さんのギャラリートークに一段深い楽しみ方を教えていただきました。
 まずは栖鳳の作品を紹介していきます。

20121020y29.jpg
「熊」(京都市美術館臓)
20121020y19.jpg
「く、クマー!」(古い)
と言いたくなるふしぎな愛らしさ。今回の展覧会人気ナンバー1だとか?
 館長も実見の際にはその大きさに驚かれたそうです。

・「緑池」(部分)
20121020y11.jpg
 水にゆらめく下半身の表現を紹介したくてこの切り取り方に。群青・緑青で色をつけている様子。
 一匹の蛙と水の表現だけでなく印章などのバランスも溜息ものです。

20121020y27.jpg
 第一室奥に配された水墨画から「水墨山画」。
 栖鳳は外遊もしていて、蘇州の風景を描いたり、蘇州に似ていると言って潮来を描いたり。ヨーロッパではターナー、コローに感銘を受けたそうです。

 ここで、館長さんから紙についてのお話がありました。『家庭画報』連載から「和紙」のコピーが配布資料に入っています(2012年10月号掲載)。
トークより)明治以降日本画では絹がメインだったが、大正時代、京都の富田渓仙が紙を使いたいと岩野平三郎製紙所に依頼。その後、大観や栖鳳も同製作所に依頼した。栖鳳の注文を受けて作り上げた「栖鳳紙」は現在でも作られている。

 それをうかがった後、そうかこの絵の艶っぽさは絹地に描かれたことにも影響を受けているかも? と思ったのが「艶陽」。
20121020y8.jpg
 (部分)
20121020y9.jpg
 わたしごときの腕とカメラではぜんぜんわかりませんが、近くで見るとふしぎな滑りがあって、花に絡みつく蛇体を描くには最適と思わされるのです。

・「飼われたる猿と兎」(東京国立近代美術館臓)二曲一双 それぞれ部分
20121020y10.jpg20121020y1.jpg
 右隻に猿、左隻に兎。
館長トークより)栖鳳は猿と兎どちらも飼っていた。猿を描きたいがなにと組み合わせようかと迷い、結局兎になった。猿には輪郭線を使わず、兎には使うなどの対象にも注目。
 
・「若き家鴨」(京都国立近代美術館臓)二曲一双(左右少し切れてます)
20121020y14.jpg
 背景の揉み箔が絢爛で。

・「春雪」(京都国立近代美術館臓)
 栖鳳最晩年の作で、この五カ月後に他界。昭和17年でした。
20121020y12.jpg20121020y13.jpg

 最後に、図録から竹内栖鳳(1864-1942)の紹介文を適宜引用します。
「京(京都)に生まれる」「渡欧を機に西洋画法を積極的に摂取」「『動物を描けばその体臭までも表す』といわれた描写力と洒脱な画風で高く評価された。また京都画壇で指導的な役割を果たし、多くの逸材を育て、近代日本画の発展に尽くした」
(p.115より)

『特別展 没後70年 竹内栖鳳-京都画壇の画家たち』は11月25日まで。後期にはかなりの作品が入れ代わるようです。お勧めします。
 竹内栖鳳以外の出品作については(2)をどうぞ。なるべく急いでアップしたいけど今日は時間切れですね。 
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この記事に対するコメント
こんにちは
こんにちは、お久しぶりです…私も、征鳳の記事書きました。nhk bs番組の感想程度ですが。。。。展示会あったのですね。
【2012/12/02 17:37】URL | スージーリリー #4ph23zis *編集*

スージーリリーさん、こんにちは。

栖鳳の猫いいですね。
近くでみるとほんとうに目がきれいでした。
そして、毛のほわほわした感じも。

記事にも書きましたが、栖鳳=猫しか知識がなかったので
この展覧会に行けてよかったです。
【2012/12/04 12:57】URL | #z7XDr28E *編集*
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