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* thread: 美術館・博物館 展示めぐり。  * genre: 学問・文化・芸術

* category: 展覧会

クリムト「黄金の騎士」をめぐる物語@愛知県美術館 

2013.01.18
Fri
23:14

 さて、名古屋日帰りその2です。10時前に駅に着き、まあ3時に移動に入ればいいかな、というのが大雑把な感触。
 
 行こうと決めていたのは愛知県美術館(サイトはこちら)で開催中の展覧会、
『生誕150年記念 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語』でした。

・愛知県美術館
 名古屋駅から地下鉄で一本。「栄」駅が最寄りです。愛知芸術文化センターという複合文化施設のなかにあります。

〔生誕150年記念 クリムト 黄金の騎士をめぐる物語〕
201301k3.jpg
 右にチケット。大きいのが鑑賞ガイド。こちら、なかなか優れもの。
201301k4.jpg
 この展覧会、クリムトが中心ではありましたがクリムトが参加していた雑誌『ヴェル・サクルム』の展示があったりして、「世代」というか「時代」を提示しようという試みでもありましたので、なかなかたくさんの人物が登場します。そこで開いて上が「クリムトをめぐる人々」。画家に限らずパトロンや、おおマーラーもいるではありませんか。
 開いて下が「クリムトをめぐるかたち」。1.格子模様に代表されるジャポニスムの影響は知識としては知っていたけど、2.正方形-「クリムトの作品には、正方形のかたちをしたものが多く見られます」というのは、〔言われてみれば〕という感じでした。本展の中心となる愛知県美術館所蔵の「人生は戦いなり(黄金の騎士)」(1903)年もそうなのです。
 そして、この「かたち」に取り上げられた格子柄と正方形を探してみようというタスクがあり、その答がうら(つまり4ページ目)にあるという趣向でした。パパと就学前の息子さんみたいなふたりがこのガイドを手に、かたちを探していたりね。

 展示については印象を箇条書きで。
・『ヴェル・サクルム』(ウィーン分離派の機関誌)の表紙がシリーズ的に展示されていたのがいい。さまざまなメンバーがデザインを担当し、図像(幾何学的なものもわりとある)と文字に有機的なむすびつきがあり、非常にデザインコンシャスというべきか。
・使われていたフォントいいなあ。というか、こうしたフォントを「いい」「美しい」と感じるように自分は教育を受けてきたのだなあ、と思った。教育というのは学校に留まらず、日常や美術館賞などいろいろな機会を通して受けてきたもののことです。
・大スキャンダルとなったウィーン大学大講堂の天井画-「哲学」「医学」「法学」(現在は消失)の原寸大写真パネルを見る。〔げーじゅつ表現なんだから許される〕と言っていいものか。今見てもインパクトある表現だったり、哲学医学法学なんていう人間の営為の虚しさを突くような要素や配置だったりで、しかもこれは約100年前の作品で。
・『ヴェル・サクルム』の誌面を通してクノップフの女性像を見る。顎だなあ、でも好き。そういえばラファエル前派(というかロセッティ)も顎な女性をよく描いてたなあ。
・家具の展示なども。マッキントッシュのハイバックチェアなどありましたが、ここで初めて妻であるマーガレット・マクドナルド・マッキントッシュの手による刺繍パネルを見た。いろいろな技法が用いられている力作なんだけど、描かれている女性がやっぱりなんというか、柳の下の幽霊のようですね。ビアズリーなどの影響が指摘されているそうです。
・ジュエリーもあった。ここにも正方形が多用されている。ちょっといいなと思うのがあったので、ミュージアムショップでレプリカ扱えばいいのになと。
・クリムトに続く世代の作品としてココシュカの「少年たち」があったのは嬉しい。好き。
・最初のほうと最後のほうにクリムトの肖像写真が。ここに猫! クリムトと猫といえば映画『クリムト』を思い出す。記念に何回か上映しているそうです。
・ベートーヴェンもいいけど(『ヴェートーベン・フリーズ』あるし)やっぱりマーラー聴きたくなった。

 展示を鑑賞したあとはちょっとお土産探し。
 自分用にペンケース、週末に会う友人にクリアファイル、そして「なぜに?」と思って買ったのがカレー。家に帰ってきてぱちり。
201301k1.jpg

・・・
 クリムト展のチケットで常設展も見れます。お時間があればぜひ。

〔常設展〕
 20世紀美術がコレクションの中核。
・クリムトにあわせて、コレクションのなかでもドイツのものを特集展示しているのが一室。バルラハの彫刻、シュヴィッタースのメルツ、キルヒナー、エミール・ノルデなんかが出ていました(ドイツ表現主義好きなので得した気分)。初期のカンディンスキーなども。
・日本の画家(失念)の描いた鯖トラ猫絵とボナール師匠の描いた女の子+猫の絵が並んでいるコーナーなども。写実的なのは日本の画家さんなんだけど置物っく、ボナールのほうは輪郭とか溶けてて形は非現実的なんだけどなんか、生きてました。
・大きいカラーフィールドペインティングがあった。サイズ感や質感はどうしても本やウェブでは伝わらないなあ、と特に思うタイプの絵。
・片岡珠子は遠くから見てもすぐわかるなあ。シリーズ同じっぽいのが横浜美術館にもある。
・斎藤吾朗「描けば描くほど」は、らせん状に並んだ古今東西の画家が自分の作品を手に持ってうずまいてくという怪作。斎藤さんのサイト(斎藤吾朗ミュージアム)→コレクション→「描けば描くほど」で見れます。どっかにご自分もするっと入ってたりするんであろうか(←と思ったら、なんと前列にいたよ!)。

・熊谷守一がたくさんあった! 常設展内の「木村定三コレクション」部屋は数カ月ごとに展示替えがあるそうだけど、幸運にも熊谷守一特集でした。
 ねこーねこー。
 そして、この輪郭くっきりで単純化された花とか、ついさっき見たココシュカを思い出すよ…。

 というわけで、思わぬねこポインツもついた愛知県美術館、満足でございました。
 ちょっと不思議なのがコインロッカー利用にトークンを使うこと。受付で貸してもらってコインとして使う仕組み。100円玉では駄目ですか? いや、100円を持ち合わせてない場合には便利ではある。

201301k5.jpg
 赤い缶はミュージアムグッズで日本茶のティーバッグ入り。
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この記事に対するコメント
クリムト
ブログでははじめまして。
卒論のテーマがクリムトでした。
2月11日までですか、行ってみたいですね。
【2013/01/19 19:24】URL | kan #- *編集*

クリムトさん、こんにちは。
名古屋にお越しの際にはぜひあわせてヤマザキマザック美術館にも。
おすすめです。
クリムト展を見てると、前に一度だけ行ったウィーンにまた行きたくなりました。
親しい友人と自由旅行だったのもあり、スペインに住んでいたときに行ったこともあり、
すごくいろいろと覚えています。
【2013/01/22 16:55】URL | かんべえ #z7XDr28E *編集*
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