* thread: 美術館・博物館 展示めぐり。 * genre: 学問・文化・芸術
* category: 展覧会
ヤマザキマザック美術館はロココの館。…だけじゃない。
2013.01.22
Tue
16:47
名古屋日帰りでまずは愛知県美術館のクリムト展と常設コレクション展を鑑賞。
もう一カ所は行けるよねえと一応検索してみたけど遠くには行けないし、あんまりピンと来るものがない。
強いて言えば徳川美術館で初詣か? と思いつつ(名古屋ボストン美術館はそれほど興味のないジャンルだったので)地図でももらおうかと観光案内所に行きました。そこで勧められたのがヤマザキマザック美術館(サイトはこちら)です。寡聞にしてまったく知りませんでした。一応、artscapeで愛知県の美術館チェックして行ったんだけどなあ。←今見てみたら、下から二番目に(「ヤ」だしね)「コレクション展」とひっそり書いてあるだけでした。
観光案内所にあったチラシ(表面)がこちらです。
ほう、フランス美術なのか。
こういう肖像画とかに強いのかな?
聞いてみると比較的新しい美術館で、しかも愛知県美術館からも近いということでこちらに決めました。
ヤマザキマザックというのは愛知を本拠とする工作機械の会社だそうです。
美術館は愛知県美術館からもほど近い「新葵」という地区。ヤマザキマザックのオフィスビルですが別エントランスがあり、一階でチケットを買い(小振りなミュージアムショップ、コインロッカーもこちらです)入場料に含まれているオーディオガイドを受け取ってエレベータでまず5Fへ。4Fと2フロアを使っています。
エレベータを下りてすぐ正面には若い女性の肖像が飾ってあります。ん? チラシにあるロココとは違うよね…と見ると、ボナール作の「薔薇色のローブを着た女」(1918)でした。初代館長でありこのコレクションを収集した山崎照幸氏のコレクションの記念すべき[一枚目]だったそうです。
そこからは基本的に時代に沿って展示が展開されていきます。
第一室の奥の壁を飾っていたのはヴァトーの「夏の木陰」(1715年頃)。チラシ裏面にも掲載されています。
面白いな、と思ったのがこの「夏の木陰」前に拡大レンズが置かれていたこと。通常は邪魔にならないようにしまわれていて、ボタンを押すとういーんと上がってきます。
そう、ヤマザキマザック美術館は「見せる」ことや「見る環境」にもこだわりがあるなと思える場所でした。
適宜美術館のウェブサイトから引用します。
(「施設概要」より「展示室について」)
展示室は、それぞれの時代を彷彿させる優美な内装とゆとりある空間を演出し、訪れたお客様がゆっくりと作品と向き合えるよう心掛けています。
また、作品を心行くまで楽しんで頂くため、絵画作品は、古い作品ですが、あえて額装からガラス板、アクリル板をはずしました。お客様には、筆跡や色彩など、直接、作者と同じ視線でご鑑賞頂けます。
展示室のキャプションは「作家名」「作品タイトル」「制作年」など最小限にとどめています。お客様は、オールドマスター当時の部屋にタイムスリップしたような感覚を味わいつつ、至福の空間をお楽しみ頂けます。
(引用ここまで)
うららかな日曜日の午後、非常にゆったりした展示室です。もっと知られてほしいと思う一方、この〔ひとりじめ〕感はなかなか得難いので一種のジレンマね。
上記引用した「優美な内装とゆとりある空間を演出」には、ヨーロッパの歴史ある美術館のような布貼りの展示室が大きな役割を果たしています。展示室にはいくつか雑誌記事やインタビューが置いてあったのですが、この内装、本来は絹張りのところ日本では消防法上許されないので、特別に注文した布を貼ってあると読んだように思います。
たしかにおなじみのプラド美術館なんかを思い起こしても、豪華な応接室の内装みたいだものね。
コレクションについて、ていねいに書くと長いのでメモ的に。
・たしかにロココが充実。目に快いね。
・ボナールがコレクション第一作だったことにもつながるのか、アンティミストの作品いろいろ(わたしは「ナビ」というくくりで覚えていたのですが、用語や顔ぶれは要確認だな)。ボナールはもちろん、ドニやヴュイヤールの作品も。
・けっこうドランがあり、5Fの展示だけでなく、4Fのインテリア再現の一要素ともなっていた。でもオーディオガイドにドランがないのは残念。そう、フォーヴけっこうありました(マティスはなかった)。
・4Fにはアール・ヌーヴォーの部屋ごとを再現などがあります。
・4Fで圧巻だったのはガレのガラス作品。燐光をはなつような青。
こちらの美術館、いろいろと企画もやってらっしゃるようです。
目をひかれたのが月に一度、3月まで開催のブロガーDAYです。さすがにこのためだけに再度名古屋に行くのは難しい、でもいいなあ…。
ウェブサイトを見ると、現在展示されていない収蔵品もかなりあるようです。
今回の展示はチラシにあるように4月までだから、また入れ換えなんかもあるよね。
次に名古屋に行くのはいつになるかはわかりませんが、次回行くときも選択肢に入れようと思います。
もう一カ所は行けるよねえと一応検索してみたけど遠くには行けないし、あんまりピンと来るものがない。
強いて言えば徳川美術館で初詣か? と思いつつ(名古屋ボストン美術館はそれほど興味のないジャンルだったので)地図でももらおうかと観光案内所に行きました。そこで勧められたのがヤマザキマザック美術館(サイトはこちら)です。寡聞にしてまったく知りませんでした。一応、artscapeで愛知県の美術館チェックして行ったんだけどなあ。←今見てみたら、下から二番目に(「ヤ」だしね)「コレクション展」とひっそり書いてあるだけでした。
観光案内所にあったチラシ(表面)がこちらです。
ほう、フランス美術なのか。
こういう肖像画とかに強いのかな?
聞いてみると比較的新しい美術館で、しかも愛知県美術館からも近いということでこちらに決めました。
ヤマザキマザックというのは愛知を本拠とする工作機械の会社だそうです。
美術館は愛知県美術館からもほど近い「新葵」という地区。ヤマザキマザックのオフィスビルですが別エントランスがあり、一階でチケットを買い(小振りなミュージアムショップ、コインロッカーもこちらです)入場料に含まれているオーディオガイドを受け取ってエレベータでまず5Fへ。4Fと2フロアを使っています。
エレベータを下りてすぐ正面には若い女性の肖像が飾ってあります。ん? チラシにあるロココとは違うよね…と見ると、ボナール作の「薔薇色のローブを着た女」(1918)でした。初代館長でありこのコレクションを収集した山崎照幸氏のコレクションの記念すべき[一枚目]だったそうです。
そこからは基本的に時代に沿って展示が展開されていきます。
第一室の奥の壁を飾っていたのはヴァトーの「夏の木陰」(1715年頃)。チラシ裏面にも掲載されています。
面白いな、と思ったのがこの「夏の木陰」前に拡大レンズが置かれていたこと。通常は邪魔にならないようにしまわれていて、ボタンを押すとういーんと上がってきます。
そう、ヤマザキマザック美術館は「見せる」ことや「見る環境」にもこだわりがあるなと思える場所でした。
適宜美術館のウェブサイトから引用します。
(「施設概要」より「展示室について」)
展示室は、それぞれの時代を彷彿させる優美な内装とゆとりある空間を演出し、訪れたお客様がゆっくりと作品と向き合えるよう心掛けています。
また、作品を心行くまで楽しんで頂くため、絵画作品は、古い作品ですが、あえて額装からガラス板、アクリル板をはずしました。お客様には、筆跡や色彩など、直接、作者と同じ視線でご鑑賞頂けます。
展示室のキャプションは「作家名」「作品タイトル」「制作年」など最小限にとどめています。お客様は、オールドマスター当時の部屋にタイムスリップしたような感覚を味わいつつ、至福の空間をお楽しみ頂けます。
(引用ここまで)
うららかな日曜日の午後、非常にゆったりした展示室です。もっと知られてほしいと思う一方、この〔ひとりじめ〕感はなかなか得難いので一種のジレンマね。
上記引用した「優美な内装とゆとりある空間を演出」には、ヨーロッパの歴史ある美術館のような布貼りの展示室が大きな役割を果たしています。展示室にはいくつか雑誌記事やインタビューが置いてあったのですが、この内装、本来は絹張りのところ日本では消防法上許されないので、特別に注文した布を貼ってあると読んだように思います。
たしかにおなじみのプラド美術館なんかを思い起こしても、豪華な応接室の内装みたいだものね。
コレクションについて、ていねいに書くと長いのでメモ的に。
・たしかにロココが充実。目に快いね。
・ボナールがコレクション第一作だったことにもつながるのか、アンティミストの作品いろいろ(わたしは「ナビ」というくくりで覚えていたのですが、用語や顔ぶれは要確認だな)。ボナールはもちろん、ドニやヴュイヤールの作品も。
・けっこうドランがあり、5Fの展示だけでなく、4Fのインテリア再現の一要素ともなっていた。でもオーディオガイドにドランがないのは残念。そう、フォーヴけっこうありました(マティスはなかった)。
・4Fにはアール・ヌーヴォーの部屋ごとを再現などがあります。
・4Fで圧巻だったのはガレのガラス作品。燐光をはなつような青。
こちらの美術館、いろいろと企画もやってらっしゃるようです。
目をひかれたのが月に一度、3月まで開催のブロガーDAYです。さすがにこのためだけに再度名古屋に行くのは難しい、でもいいなあ…。
ウェブサイトを見ると、現在展示されていない収蔵品もかなりあるようです。
今回の展示はチラシにあるように4月までだから、また入れ換えなんかもあるよね。
次に名古屋に行くのはいつになるかはわかりませんが、次回行くときも選択肢に入れようと思います。
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