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* thread: 美術館・博物館 展示めぐり。  * genre: 学問・文化・芸術

* category: 展覧会

横山大観展の夜間特別鑑賞会に行ってきました(2)。 

2013.10.07
Mon
19:42

 10月5日~11月24日、横浜美術館で開催される
 横山大観展 良き師、良き友。
 5日夜に開催された夜間特別鑑賞会に参加してきました。記事その2です。

*夜間特別観覧のため、一定の条件を満たした撮影・紹介が特別に許可されました。

〔第2章 良き友-紫紅、未醒、芋銭、溪仙:大正期のさらなる挑戦〕
 天心亡き後、大観は日本美術院を再興。リーダーシップをとります。院展に必ず大作を出品するだけでなく、年齢の上下、流派、日本画/洋画の区別など一切抜きで〔すごい〕と思う画家には声をかけた。本展で見れる溪仙の「沈竃・容膝(ちんそう・ようしつ)」、芋銭「肉案(にくあん)」なども、そのきっかけになった作品(トークより)。

 第2章は三部構成。
・2-1 水墨と色彩
「雲去来」(大正6年/1917年)
201310tk12.jpg
 竹生島の風景とのこと。
 線の片側をぼかしてものの量感を出す〔片ぼかし〕という技法が使われています。ちなみに、プレスリリースで見たことなんですが、この技法は未醒がもたらしたものだとか。
 それにしても、屏風の画面構成って面白い。左隻だけでは寂しいし、右隻だけでは詰まりすぎている。また、左右に分けて一度「切る」ことで、横に長すぎるという印象が回避できると思う。

「秋色(しゅうしょく)」部分(大正6年/1917年)
201310tk14.jpg
 本展チラシやポスターにも使われている絢爛たる秋。鹿の背や尻の黒、胸・腹や尻尾の白が効いています。

 同じ展示室のお向かいには、大観・観山・紫紅・未醒らで大正4年(1915年)に行った、列車を使わない東海道写生旅行での合作「東海道五十三次絵巻」なども展示されています。新聞記事のみんなのシルエットがかわいい。

・2-2 構図の革新とデフォルメ
 このセクションからは、紫紅「潮見坂」(大正4年)、および大観の「汐見坂」(大正5年)を。並べて見ることができるのは展覧会の喜びですね。
201310tk15.jpg
 キャプションより)「東海道五十三次の白須賀宿近くの汐見坂は、高台から遠州灘を遠望できる景勝地」
 大観の作は、この年に急逝した紫紅へのオマージュとも(トーク)。

 このセクションでは大胆に余白を残した大観「焚火」も好き。どうしてもうまく撮れませんでしたが。

・3-3 主題の新たな探求

 今回一番好きだったのがこの屏風絵です。トークで取り上げられて部分図を見たときにもう「えー気になる! 早く見たい!」と思っていました。
→「千ノ輿四郎(せんのよしろう)」大正7(1918)年
 かなり大きく、かつ展示室の形状から、全体をおさめることができませんでした。
 
 千ノ輿四郎、とは茶聖・千利休の幼名です。
「茶を学ぶため武野紹鴎に入門した時、掃き清められた庭の掃除を命じられた。木をゆすって落ち葉を散らし、庭に風情を与えたことで、その才能が認められたという逸話に取材した作」(キャプションより)
201310tk18-2.jpg
 奔放さすらうかがえる緑。左隻の右端近くにはらりと一枚だけ落ちている紅葉が効いてます。
「京都の桂離宮や大徳寺などに赴き研究し、茶室や庭の描写などを苦心の末仕上げた」(プレスリリースより)。

 この労作、しばらく見ていました。すぐ前にソファもあるのでゆっくり。
 好きな細部を。
 左隻の左すみ。
201310tk19.jpg
 この白い鳥は、右隻の右から二面(とは言わないかな)目の上部にいます。
 ごらんのとおり黒や密な緑ばかりの中にぽつりと白。
201310tk20-2.jpg

 この記事を書こうといろいろ見返したりしているうちに、気づいたことがあります。 
・密林感
・写生がんばった感
・人物の丸みを帯びたフォルムと、手などの末端が大きい感じ
に、なにやら「ルソーっぽい」と。それも〔好き〕の理由の一端だったりする?

 最後に、右横から見た図を。ピンぼけだけど。
201310tk18bis-2.jpg
 屏風って不思議だな。正面から見たときと、右または左、ちょっとした角度の違いで見えるものがぜんぜん違ってしまう。今回は人物がまるで〔なかったこと〕にされ、ただ緑の印象が強くなるでしょう?

 やっぱり長くなりました。
 最後の(3)では、「友」たちの作品をいくつか見ます。
 
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