* thread: 美術館・博物館 展示めぐり。 * genre: 学問・文化・芸術
* category: 展覧会
横山大観展の夜間特別鑑賞会に行ってきました(3)。
2013.10.08
Tue
08:13
横山大観展 良き師、良き友。
5日夜に開催された夜間特別鑑賞会に参加してきました。記事その3です。
*夜間特別観覧のため、一定の条件を満たした撮影・紹介が特別に許可されました。
このエントリでは、大観の「良き友」たちの作品を中心に紹介します。
・今村紫紅「入る日・出る月」(画稿)
これは平塚市美術館蔵。完成作は第二回院展に出品したそうです。
・小杉未醒「列仙屏風」
「良き友」たちのうち、未醒と渓仙ははじめて意識した人たち。
ゆったりした空間構成が好きだな。中国の故事にならっているのになんとなく南蛮人ぽいよ、と思ったら、未醒は洋画家として成功したのちに日本画に転向したとのこと。
こんなところでウサギが働いてたのでちょっと大きめに切り取ってみました。
「唐の進士・裴航(はいこう)が玉兔に助けられながら、玉の杵臼で百日間仙薬を挽き続けたことで、美しい娘と結ばれ仙人となる話を描いている」(大観展ウェブサイトのこのページから)
・未醒はこの「桃源漁郎絵巻」も好きだったな。
全体はこちら。ちょっとわかりにくいんですが、色バランスが好き。
部分を大きめに切ってみました。
桃色が効いてる。で、ひつじがなんかかわいらしいよ。
・動物つながりで
冨田渓仙「獅子猛進の図」(部分)。
猫がいなかったとですよ。
というわけで、猫科。なんとなくかわいらしいというか、ユーモラスでしょう。
渓仙はあまり大きな作品ではないですが「祇園夜桜」にも注目です(うまく撮れませんでした)。大観が愛蔵し、かつ名作「夜桜」はこの作品から想をえたと言われています。
・そして芋銭。すっかりわたしの脳内では仙厓(せんがい)とつながっちゃった芋銭。
「肉案」全体と
部分。どっちも映り込みばっちりでお見苦しくてすみません。
大観はこの作品から芋銭を見いだした、とのこと。おじさん(僧?)がいのししの頭を手に万歳している…?
→キャプションより「猪の肉を買う客が、よい肉を、と頼むと肉屋が店の肉はみんな上等だと答えた。盤山禅師はこれを見て、「一如平等」に開眼した。大観は、肉屋が猪を手にする姿が描かれた本作を見て、芋銭を日本美術院同人に推薦した」
するとこれは肉屋のおやじさん。←悟りの瞬間かと思ったのですが。
これでピコーン! と来た大観すごいな。
芋銭続きます。
展覧会は配置を楽しむものでもあるのですが、この一角というか一対がいいなと思って。どちらも芋銭ですが、左は「水芭蕉」、右は「河童」(芋銭は河童をこよなく愛したそうです)左で泳いでるイモリと右の河童のフォルムが同じなのだよ。
さらに、大観が手元において楽しんだもの数々を展示するコーナーでも芋銭。
左側が「南山」。右が「蓬莱山」どちらも、大観の還暦を祝って日本美術院同人が送った還暦祝賀帖より。
さて、山口晃さんが大観など六人を描いた新作が展示中です。さらにホワイエではこの絵(の写し)と一緒に記念撮影もOK。
芋銭の絵にちゃんと河童がいるよ。紫紅の顔色が心配だよ。
+大観。
横浜美術館お向かいのマークイズみなのとみらいメインエントランスに、後期展示の「夜桜」があしらわれています。
マークイズに限らず、みなとみらい地区ではいろいろな協賛サービスがある模様。
長くなりましたが夜間特別鑑賞会の記事はこれで終わりです。今回は写真がうまく撮れなくて、もっと真面目にやらねばと思いました。
貴重な機会を与えてくださった横浜美術館のみなさま、そして鑑賞会実現にかかわったスタッフのみなさま、ほんとうにありがとうございました。
・・・・・
岡倉天心生誕150年・没後100年/『國華』創刊125周年記念/朝日新聞創刊135周年記念
横山大観展 良き師、良き友
公式ウェブサイト:http://www.taikan2013.jp/
会期:2013(平成25)年10月5日(土)~ 11月24日(日)
*途中展示がえあり。
前期:10月5日(土) ~ 10月30日(水)
後期:11月1日(金) ~ 11月24日(日)
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木曜日
会場:横浜美術館 http://www.yaf.or.jp/
主催:横浜美術館、朝日新聞社、神奈川新聞社、tvkテレビ神奈川
後援:横浜市、NHK横浜放送局
協賛:大伸社、あいおいニッセイ同和損害保険
協力:公益財団法人 横山大観記念館、國華社、みなとみらい線、横浜ケーブルビジョン、
FMヨコハマ、首都高速道路株式会社
・・・・・
次に控えるは下村観山。ポスターが貼られてましたが、これがまたウッとくるほどうまいのだよ。
5日夜に開催された夜間特別鑑賞会に参加してきました。記事その3です。
*夜間特別観覧のため、一定の条件を満たした撮影・紹介が特別に許可されました。
このエントリでは、大観の「良き友」たちの作品を中心に紹介します。
・今村紫紅「入る日・出る月」(画稿)
これは平塚市美術館蔵。完成作は第二回院展に出品したそうです。
・小杉未醒「列仙屏風」
「良き友」たちのうち、未醒と渓仙ははじめて意識した人たち。
ゆったりした空間構成が好きだな。中国の故事にならっているのになんとなく南蛮人ぽいよ、と思ったら、未醒は洋画家として成功したのちに日本画に転向したとのこと。
こんなところでウサギが働いてたのでちょっと大きめに切り取ってみました。
「唐の進士・裴航(はいこう)が玉兔に助けられながら、玉の杵臼で百日間仙薬を挽き続けたことで、美しい娘と結ばれ仙人となる話を描いている」(大観展ウェブサイトのこのページから)
・未醒はこの「桃源漁郎絵巻」も好きだったな。
全体はこちら。ちょっとわかりにくいんですが、色バランスが好き。
部分を大きめに切ってみました。
桃色が効いてる。で、ひつじがなんかかわいらしいよ。
・動物つながりで
冨田渓仙「獅子猛進の図」(部分)。
猫がいなかったとですよ。
というわけで、猫科。なんとなくかわいらしいというか、ユーモラスでしょう。
渓仙はあまり大きな作品ではないですが「祇園夜桜」にも注目です(うまく撮れませんでした)。大観が愛蔵し、かつ名作「夜桜」はこの作品から想をえたと言われています。
・そして芋銭。すっかりわたしの脳内では仙厓(せんがい)とつながっちゃった芋銭。
「肉案」全体と
部分。どっちも映り込みばっちりでお見苦しくてすみません。
大観はこの作品から芋銭を見いだした、とのこと。おじさん(僧?)がいのししの頭を手に万歳している…?
→キャプションより「猪の肉を買う客が、よい肉を、と頼むと肉屋が店の肉はみんな上等だと答えた。盤山禅師はこれを見て、「一如平等」に開眼した。大観は、肉屋が猪を手にする姿が描かれた本作を見て、芋銭を日本美術院同人に推薦した」
するとこれは肉屋のおやじさん。←悟りの瞬間かと思ったのですが。
これでピコーン! と来た大観すごいな。
芋銭続きます。
展覧会は配置を楽しむものでもあるのですが、この一角というか一対がいいなと思って。どちらも芋銭ですが、左は「水芭蕉」、右は「河童」(芋銭は河童をこよなく愛したそうです)左で泳いでるイモリと右の河童のフォルムが同じなのだよ。
さらに、大観が手元において楽しんだもの数々を展示するコーナーでも芋銭。
左側が「南山」。右が「蓬莱山」どちらも、大観の還暦を祝って日本美術院同人が送った還暦祝賀帖より。
さて、山口晃さんが大観など六人を描いた新作が展示中です。さらにホワイエではこの絵(の写し)と一緒に記念撮影もOK。
芋銭の絵にちゃんと河童がいるよ。紫紅の顔色が心配だよ。
+大観。
横浜美術館お向かいのマークイズみなのとみらいメインエントランスに、後期展示の「夜桜」があしらわれています。
マークイズに限らず、みなとみらい地区ではいろいろな協賛サービスがある模様。
長くなりましたが夜間特別鑑賞会の記事はこれで終わりです。今回は写真がうまく撮れなくて、もっと真面目にやらねばと思いました。
貴重な機会を与えてくださった横浜美術館のみなさま、そして鑑賞会実現にかかわったスタッフのみなさま、ほんとうにありがとうございました。
・・・・・
岡倉天心生誕150年・没後100年/『國華』創刊125周年記念/朝日新聞創刊135周年記念
横山大観展 良き師、良き友
公式ウェブサイト:http://www.taikan2013.jp/
会期:2013(平成25)年10月5日(土)~ 11月24日(日)
*途中展示がえあり。
前期:10月5日(土) ~ 10月30日(水)
後期:11月1日(金) ~ 11月24日(日)
開館時間:10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日:木曜日
会場:横浜美術館 http://www.yaf.or.jp/
主催:横浜美術館、朝日新聞社、神奈川新聞社、tvkテレビ神奈川
後援:横浜市、NHK横浜放送局
協賛:大伸社、あいおいニッセイ同和損害保険
協力:公益財団法人 横山大観記念館、國華社、みなとみらい線、横浜ケーブルビジョン、
FMヨコハマ、首都高速道路株式会社
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次に控えるは下村観山。ポスターが貼られてましたが、これがまたウッとくるほどうまいのだよ。
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