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半袖じゃなくて雪がなくて、葉っぱ散ってればオッケーよ。第十回・まんがの会 

2014.10.11
Sat
14:12

 台風接近してるよね、と気にはしながらも、雨のなかみんな集まりました。そう、今日(先週の日曜日ですが)はまんがの会の記念すべき第十回、テーマは「それぞれの秋」です。オーナー・ちーさんを筆頭に、7名で大いに食べ、語り、ぺらぺらっとだけど読みました。いつもながら楽しかった!

 でもメンバーからは「難しかった」との声があがりました。
 季節しばりだとたしかに!
 わたしは前回の「夏」を探してるときに「秋ならあるのにぃ」と思った二冊をキープしてたからすこし心に余裕はありましたが、でもたしかに、明確に「秋」ってなかなかないんだよね。
 春ならば「はじまり」だったり「別れ」だったりがある。
 スポーツの秋、とはいうけど、実際は圧倒的に夏。というのは、われらがまんがマスター・Tさんのおことば。
 冬はなんたって雪がありますけん。
 秋は文化祭とか体育祭が一応あるかな? でも学園ものに限られるよね。顕著に日付が出るものって案外ないようです。

 で結局、このエントリのタイトルにもしたんだけど。  
 半袖(=夏)じゃなくて雪(=冬)がなくて、まあついでに言えば桜が咲いたり散ったりしてなくて、ちょっとものがなしいような雰囲気があればもう秋でいいじゃないか。葉っぱ散ってれば尚可じゃないか。 
 そして今回のテーマで言えば、「それぞれの」秋だから、究極選者がそういうことにすりゃいいじゃないか。

 というわけで、まずはおいしいごはんを楽しみ。
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 この週のよんふくカフェごはんのキラーコンテンツ、さんまの蒲焼もお出ましだよ!

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 さらに松茸ごはんまで! 感激で視界が滲んだよ。←大袈裟
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 湯気がいちおう散ったあとのお姿も。

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 Tさんお手製の黄身のみそ漬けは松茸ごはんの最強相棒。

 では、まんが紹介まいりましょう。
・まんがマスターTさん
 あのTさんも苦労なさったということで、「芸術の秋」→芸術。しばりでまずは数冊。

・一ノ関圭『らんぷの下』(ビッグコミック賞作家作品賞)
 岩手の人で、途中からペンネームを変えてこの名前になった(一ノ関、というのは岩手の地名)。美大出でデッサンなどは確か。表題作は青木繁と同時代の無名画家の話。 
 *うまい。劇画だなあ。…うーん、誰かの絵に似てる。でも思い出せない…でしたが、今回ちょっと調べて見て、沙村広明が「心の師」としてあげているというのを見つけ、「わかった!」となりました。

・冬目景『ももんち』
 芸術家を父母にもつもも(岡本桃寧・ももね、美大生)が主人公。
 *ずっと「ふゆ」目だと思ってた。このひとの絵は女の子がかわいいよね。『イエスタデイをうたって』など、印象的です。
・山田玲司『美大受験戦記 アリエネ』
 偏差値30(台)からの芸大受験、みたいなマンガ。とはTさんのコメント。
「ありえね」alieneは、フランス語でエイリアン、的な意味。でも同時にこの作品だと「ありえねー」も重ねてるかな、と。
・さそうあきら『マエストロ』
 つぶれかけたオーケストラにやってきた、正体不明のじじい指揮者がまきおこす騒動。松坂桃李×西田敏行で映画化されるということで(ただしタイトルには!が付加された)出た新装版全3巻。
 *旧版持ってます。あきらかに新装版のほうがメジャーを狙ってるな。カラフルだし。さそうさんで音楽だと、『神童』『ミュジコフィリア』(後者は芸大で現代音楽を志す学生たちの話)もあるよね。
・関川 夏央作・谷口 ジロー画『秋の舞姫』
 
 それから、「月」で、ますむらひろしのアタゴオルシリーズから『アタゴオル旅日記』が出ました。

・Kさん
 やっぱりいつもたくさん紹介してくださるKさんが三冊とは、ほんとに今回のテーマ難しかったんですね…!
・萩尾望都『10月の少女たち』『11月のギムナジウム』
 *これはわたしも考えた。でも持っていくの忘れた。結果、よかった。かなりながいこと「ギナジウム」だと思ってた。間違いに気づいたのは麦田のトンネルを通ろうとしていたある日のことだった(とか、非常に無駄な記憶です)。 
・川上弘美+谷口ジロー『センセイの鞄』
 *キョンキョンでドラマになったよね、と話しましたね。

・Cさん
・五十嵐大介『リトルフォレスト』
 いなかぐらしを淡々と描いてる。五十嵐さんは自分も山に移住したひと。
 料理作業のシーンとか印象的。
 映画化され、夏・秋編にくるみごはんや栗の渋皮煮が出てくるので選んだ。映画は来年冬・春編公開予定。
・樫木拓人『ハクメイとミコチ』
 森に住むこびとたちがかわいい。でもかわいいだけじゃなく、世界観がしっかりしている。どんぐりを拾って料理したりするので。
・アキリ『ストレッチ』
 スポーツならぬストレッチの秋、とね。先輩後輩の女子2人。後輩が仕事佐賀市で先輩のところに泊めてもらうお礼に、家事とストレッチを教える。ストレッチは実践的でもある。
 *これは無料のwebまんがサイト『やわらかスピリッツ』連載なんですね。→『ストレッチ』のページ ストレッチが切実に必要なお年頃が多いメンバー、盛り上がりました。
・芦田実希『はじめのニット!』
 編み物の秋ということで。
 *これわたしも買いました。もとアミモナー(2年間ぐらいマイブーム) としては見過ごせない! と。でも編み物そんなにしてなかったよね? かわいかったけど。

・Aさん
 悩んだ…と取りだしたのはまず、いただきものなんだけどなぜこれをくれたのかわからない、という、
・わたせせいぞう『HURRICANE』
 *わたせせいぞうはやったよね! とまた、時代? トーク。それにしても立派な本ですね。絵本的な判型、ハードカバー。 
・三島衛里子『高校球児ザワさん』
・向田邦子+柴門ふみ『向田邦子マンガ館』
・『久保ミツロウと能町みね子がオールナイトニッポンやってみた』

・Pさん
・青木光恵『小梅ちゃんが行く』
 小梅ちゃんは前にもご推薦でしたが、あらたな目で。焼き芋エピが(一本)あるので持ってきた! とのこと。
・河内遥『関根くんの恋』
 関根くんが好きになったのは町の手芸屋さんの孫娘で、そんなとこから関根くんもニット男子になってしまう。なにをやっても超絶うまいのでものすごい勢いで作品を量産し、かつクマなんかかわいいの。
 *関根くん、1巻読んでそのままだったんだけどちょうどまんがの会2日前ぐらいに一気読みしたから記憶もあらたでした。関根くんの手は超人的だよ! 
・わかつきめぐみ『ご近所の博物誌』
・ヤマザキコレ『魔法使いの嫁』
 *わたしも買ってます。既刊2巻。

・Mさん
・松本大洋『SUNNY』
 夏の終わり~秋の話。一軒家にあずけられた5、6人の子の共同生活。せつない。

・・・・
 もちろんお菓子もたっぷりだよ!
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 鎌倉のしらすラスクは持ち帰りしておいしくいただいたよ。

 さて、最後に(今回の順番としてはまんなかへんでした)が選んだものを。
 最初のほうは一応ちゃんと、後ろのほうは「夏でも冬でもないし、雰囲気から言って春より秋!」ってことで無理やり。になってきます。
・花郁悠紀子『四季つづり』
 タイトルからしてどんぴしゃでしょ。
 花郁さんは前にも書いたことがあるけど、ぜひぜひ読んでいただきたいまんが家です。惜しくもたった26歳で病にたおれたのですが、掲載誌(『プリンセス』が中心)の切り抜きをずっと取っておきましたし、コミックスは特別のカバーをかけて今も本棚にあります。
『四季つづり』におさめられた短編は日本が舞台。いま比較的手に入りやすいのは文庫版ですが、もともとのコミックスには「夏の風うたい」、「秋の時うつり」、「冬の波さやぎ」、「春の花がたり」そして「春秋姫」 (わたしはこのお話がイチ押し)が収録されていました。
 花郁さんの作品は精緻に構築されていて、美しい短編小説のようだけれど小説にはできないことをやってのけています。「春秋姫」で主人公茜と異母妹藍根の出会い、花郁さんの故郷でもある金沢の風景、そして姉妹の描いた絵…。電子書籍にもなっているのでぜひ読んでほしい。
 花郁さんのSFやファンタジー、ダークな側面などについてはまた。

・高田祐子『トテモ美シイ夏』
 夏のテーマで発掘したのですが、表題作の続編が「トテモ愛オシイ秋」です。高田さんについて、前回のまんがの会記事でちょっとだけ詳しく書いてますので、よろしければ。 

・榛野なな恵『Papa Told Me 秋』
 Young You連載、現在もその後継誌Cocohanaで連載している作品。NHKでドラマ化もされました。
(永遠の)小学生・知世(ちせ)ちゃんは、作家をしてるお父さんと二人暮らし。お父さんはなかなかハンサムで、運命の恋をして結ばれ、ちせちゃんを産んでなくなったお母さんを大切に想いながらちせちゃんを育ててる。ふたりのまわりにはお父さんの妹・ゆりこちゃんとか、担当編集の北原さんとか、働く女性もかずかずいて、…そうだなあ、[ふつうはこうでしょ]的に思われがち言われがちだけど「ちょっと窮屈」「ちょっと生きづらい」「じつは変?」みたいなことを、ちせちゃんやその女性たち(ゲストキャラ含む)がそっと指摘する、というスタンスだった気がします。
 しばらく進むとそのスタイルがちょっとヒステリックな域に感じられたり、これはどうしても仕方ないことなんだけどペンタッチが太くなってちせちゃんもなんか恰幅よくなって当初の美少女設定は設定だけかなって感じになったり、わたしも最近のはゆるーく追ってる程度なのですが、Young Youの周年記念企画で出た特別編集の『春』『夏』『秋』『冬』はさすがに粒揃いです。サブタイトルがカタカナ表記の英語だからなかなか中身と結びつきにくいんだけど、ちせちゃんに淡い想いを寄せる学校のプリンス・乾くんの話「シェル ブルー」が冒頭におさめられてます。

・入江亜季『群青学舎』
 このあたりから「まあ、秋ってことにして!」となっていきます。
 入江さんはエンターブレインで描いてて、初めて見かけたのは『コミックビーム』表紙なのではと思います。それが、もうどういうのかは忘れたけどすごく美しくて。驚いて。雑誌と並べてあった(ように思う)コミックス『群青学舎』1巻を買った。というような記憶です。
 絵がうまいよね。美しいものが好きだよね。美しいものばっかりじゃなくてじいちゃんばあちゃんや醜いものも描くから美しいひとが際立つよね。そして、「美しいは正義」って世界観だろ? って感じなので、正直、長編などは〔ちょっとキャラ萌えがすぎるのでは…〕と思うこともあります。
『群青学舎』はオムニバスストーリー。いろんな意味での青春、若さが描かれてます。今回「秋でいいよね!」と決める理由になった1巻収録の「森へ」は、ちっちゃなおばあちゃん(愛らしい)が木の実をつまんだり、嵐に遇ったり、湧き水の鏡に若いころの自分の姿を見たりしながら森を歩いていくもので、最後の最後までセリフはありません。

 あとの三冊は「どこが秋なの?」って思っていただくためってことで。
・山中ヒコ『王子様と灰色の日々』
・森川久美『青色廃園』
・神坂智子『ゾマの祭り』
 どの本もそれぞれに好きなんだけど説明するのが難しい。というか、また時間かかってしまう。
 そのうち思い出したようにつぶやいたりします。


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