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ジュリア・マーガレット・キャメロン展 ブロガー特別内覧会@三菱一号館美術館  

2016.08.02
Tue
00:05

 三菱一号館美術館(公式サイトはこちら)で9月19日まで開催中の 『From Life-写真に生命を吹き込んだ女性ジュリア・マーガレット・キャメロン展』。 美術館と古今東西の美術への深いあいにあふれるブログ「弐代目 青い日記帳」のtakさんがタッグを組んで開催されたブロガー特別内覧会に参加してきました。関係者のみなさま、すばらしい機会を与えてくださりありがとうございました。

 
 *このブログ記事に掲載した写真は、展覧会紹介記事に掲載するため特別の許可をえて撮影したものです。  

 ジュリア・マーガレット・キャメロン(1815 ~1879)。初めてきく名前でした。でも見に行こうとは思っていました。写真を見るのはわりと好きですし、19世紀後半~末も関心のある時代です。それに三菱一号館美術館には信頼があるしね。

 見応えのある、とても現代的な展覧会でした。いや、「現代」、写真の「現在」にまっすぐにつながる世界観を作ったひとりなのだそうです。キャメロンは。
 
 それはこの、展覧会チラシや入り口などのキービジュアルとなっている作品からもうかがえます。
IMG_9433.jpg 
・<<ベアトリーチェ>>1866年
 ベアトリーチェというとすぐダンテ『神曲』に結びついてしまうのですが、イメージはベアトリーチェ・チェンチだそうです。 キャプションから引きます。
「ポーズと衣紋、悲しげな表情は、くイド・レーニ作とされる絵画にもとづく。主題となるのは、性的虐待を行った父の殺害を企てて処刑された、16世紀のイタリア貴族ベアトリーチェ・チェンチである。『原画の憂いに満ちた甘美な表情』をやわらかく表現したと称賛される一方、『実在の人物をモデルに』歴史的な人物を撮影した点が嘲笑の対象となった」
 レーニ作のベアトリーチェやその物語については、こちらのブログ記事を読んでいただくといいでしょう。 

 展覧会公式サイトなどで大きい画像を見てください。プリントの色こそ「古さ」を感じさせますが、現代のひとでもあえてこういう色をだしたりモノクロで撮るひとがいくらでもいます。この写真を鑑賞するときに「むかしのものを見てる、という意識」「近づこうとする努力」はあまり必要ないのでは? 現代の「写真」では珍しくない、ソフトフォーカス、大写しの人物、物語性。

 公式サイトの「展覧会概要」には、
 1863年末に初めてカメラを手にしたジュリア・マーガレット・キャメロン(1815-1879)は、記録媒体にすぎなかった写真を、芸術にまで引き上げようと試みた、写真史上重要な人物です。
とあります。公式がおす〔みどころ〕は、

・1 写真を芸術へと高めた先駆者キャメロン。
・2 美しくも型破りな芸術表現。
・3 キャメロン生誕200周年記念の国際巡回展であり、日本初の回顧展。極めて貴重なヴィンテージ・プリントが一堂に。

 ブロガー内覧会の特別企画として、三菱一号館美術館の高橋館長あいさつ(開館前からキャメロン展をやりたいと考えていたことなど)、そして9月3日に大規模改装をへてリニューアルオープンする東京都写真美術館の三井学芸員のお話もうかがうことができました。

 三井さんのお話から。
・写真が初めて発表されたのは1839年8月12日。キャメロンが48歳にして初めてカメラを手にした1863年約25年前のこと。もちろん、カメラを持っているひと自体がとても珍しかった。そのうえ女性。
・キャメロンの父は東インド会社の上級社員、母はフランス貴族で、夫は(紅茶の)プランテーションの経営者(で20歳年上←かっこ内の情報はその後自分で調べた補足などです)。(キャメロンはセイロン生まれで、結婚後33歳までセイロンで過ごし、英国に移ると家族とともにワイト島に居を構えました。ワイト島というとヴィクトリア女王お気に入りの避暑地だし、もとなおこさんの『コルセットに翼』の主人公クリスティンが子ども時代を過ごした場所だーって、行ったこともないのになぜかなつかしく)イギリスでは妹がサロンを主催しキャメロンもそこに出入り。時代の芸術の先端に触れる環境にあった。
・キャメロンの時代の〔撮影〕方法-写真に引き延ばしや縮小という技術はなかった。すべて1:1。カメラにシャッターはなく、外で撮影してISO 0.1~1。「動かない」ことへの要請は大きく、被写体に無理を強いることに。
・キャメロンは「小柄でがっしり」していたと言われる。当時の平均身長がいまの日本人ぐらい。子どもは6人(+養子もいた)。

 さて、作品を見ていきましょう。キャメロンが追求した三つの主題群に、
・肖像
・聖母像
・絵画的効果を目指す幻想主題
があるそうです(展覧会公式より)。

IMG_9395.jpg 
 左から、
・<<レディ・アデレイド・タルボット>>1865年
・<<レディ・アデレイド・タルボット>>1865年
・<<沈思の人>>1865年 この作品のなかでレディ・アデレイド・タルボットはミルトンの詩作品『沈思の人』にあらわれる悲哀のひとの擬人化に扮しているとのこと。 

 この右にあった<<94歳の女性の肖像、72回目の結婚記念日>>1865年、もすごく好きなのですが、一点どりNGなのでうまく紹介できないな…。

 キャメロンは家族や使用人、友人などをモデルにたくさんの写真を撮るのですが、初期から「〇〇風」のしつらえをした作品が見られますね。

IMG_9419.jpg
・<<エルコ卿夫人-ダンテ風のヴィジョン>>1865年


IMG_9426.jpg
 家族を写した作品群です。
・<<ハーディング・ヘイ・キャメロン>>1864年(左)
・<<チャーターハウスのヘンリー・ハーシェル・ヘイ・キャメロン(チャーターハウス校生徒)>>1864年(右上)
・<<孫アーチー、息子ユージンの子、1863年5月23日バルバドス生まれ、2歳3カ月>>1865年(右下)

IMG_9405.jpg
・<<巫女-ミケランジェロ風に>>1864年
 システィナ礼拝堂の『天地創造』を飾る「エリュトライの巫女」のフレスコ画から(わたしは「デルフォイの巫女」と「リビアの巫女」が好き)。キャメロンの親しい友人でありワイト島での隣人でもあったアルフレッド・テニスンの自宅に複製原画が飾ってあったそうです。
 キャメロンは芸術的な写真をつくりだすためにルネサンス期の絵画を発想の源とした-というのは上のキャプションにある一文。
 これに対し、「厳しい批評家たちは、真実を写すものとして考えられていた写真を、想像上の主題を描写するために用いたとして、キャメロンを攻撃」したとのことです。
 ですが、写真を撮り始めて二年もたたないうちにサウス・ケンジントン博物館(ヴィクトリア&アルバートの前身)が114点のキャメロン作品を買い上げ、一定の評価を受けます。

 
IMG_9418.jpg
・<<ミューズの囁き>>1865年
・<<サッフォー>>1865年

 第二の主題群「聖母」からは、連作<<精霊の実>>1864年を。
IMG_9428.jpg




IMG_9431.jpg
・<<ヤコブとラケル>>1864年
 構図と、ふたりのあいだに流れる空気が好きな一枚。
 聖書から。 ですよね? 確認のため「創世記」を読み返して、ルツ(とボアズ)とまちがえて覚えてたことに気づきました。よかった。ヤコブはラケルに一目惚れし、結婚の許しを得るために七年間ラケルの父のもとで働く。ところが許されての結婚でヤコブのもとにやってきた(ヤコブは騙された)のはラケルの姉レア…。



IMG_9441.jpg
・<<サッフォー>>1866年
・<<アドリアーナ>>1865年


IMG_9444.jpg
・<<ハーバート・ダックワース夫人>>1872年
(下の写真参照)

IMG_9453.jpg
・(手前)<<ジュリア・ジャクスン>>1867年
・(奥)<<ハーバート・ダックワース夫人>>1872年
 同一人物を撮った二枚。キャメロンの「最愛の姪」で名付け子。

 キャメロンは女性を正面から撮ることはあまりなかったというけれど、それだけにこの手前の写真はインパクト大でした。ほどいた髪といい、デューラーの<<1500年の自画像>>を思い出したり。この手前のジュリアはぜひ会場で見ていただきたい、対峙していただきたい一枚です。
  奥の<<ハーバート・ダックワース夫人>>では結婚3年にして夫を亡くしたあとのジュリアです。ジュリアはその後再婚。その結婚で生まれた娘がヴァージニア・ウルフです。


IMG_9449.jpg
・<<ヒュパティア>>1868年

IMG_9447.jpg
・<<チャールズ・ダーウィン>>1868年(1875年印刷、カーボン・プリント)

 この展覧会でのおもしろい試みその1。
〔失敗は成功だった〕と題された第Ⅳ部からも作品を。

 キャメロンは、通常であれば技術的な欠陥と見なされかねない不規則な出来ばえを進んで採り入れて、独自の表現を発展させました。
というのが、このセクション紹介の冒頭。 

IMG_9467.jpg
・<<ホサナ(神を讃えよ)>>1865年
・<<ホサナ(神を称えよ)>>1865年
・<<シャーロット・ノートン>>1864~66年

 それから、他の写真家たちとの〔対話〕を試みていることも見どころのひとつです。
 同時代のさまざまな写真(写真は「記録」のためのものという概念から遠いキャメロンの作品の特異性がよくわかる)、そしてあとの時代の作家の作品など。
 最後の展示室にはスティーグリッツがオキーフを撮った連作などもありました。また、これだけは撮影不可だったのですが、サリー・マンの1985年の作品<<肉親>>も印象に残ります。

IMG_9469.jpg
・アルフレッド・スティーグリッツ <<アメリカの芸術家ジョージア・オキーフの肖像>>1~3


From Life - 写真に生命を吹き込んだ女性
ジュリア・マーガレット・キャメロン展

開館時間:10:00~18:00(金曜、第二水曜、会期最終週の平日は20時まで)
     *入場は閉館の30分前まで
休館日 :月曜休館(ただし、祝日と9月12日 は開館)
主催  :ヴィクトリア・アンド・アルバート美術館、三菱一号館美術館、テレビ朝日
後援  :ブリティッシュ・カウンシル
協賛  :DNP、資生堂
運営協力:キュレイターズ
お問い合わせ:03-5777-8600(ハローダイヤル)  




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