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『オルセーのナビ派』展@三菱一号館美術館 ブロガー内覧会に行ってきました 

2017.02.17
Fri
12:14

 とうとう開催! 日本初、いや世界でもなかなか類を見ない、ナビ派の全貌を紹介する企画展が三菱一号館美術館で5月21日まで開催中です。わたしはナビ派大好きで、展覧会企画に関係する仕事をしてる友人に五年前ぐらいに「やってほしいなー」なんて言ってみたこともあるので余計に嬉しい(「なかなか難しい……」という返事でした)。

 2月9日(木)に開催されたブロガー内覧会にありがたいことに当選し(かなり倍率高かったとのこと)、喜んで行ってきました。関係者のみなさま、すばらしい機会を与えてくださりありがとうございました。

 もちろんまた行くつもりです。みなさまにもお薦めです! 装飾美術としての側面も強く、家具などとの親和性も高いナビ派は、暖炉なども活かした展示室を持つ三菱一号館美術館にはよく似合っています。オルセーからは油彩約70点、素描約10点などが来日。

 →三菱一号館美術館による展覧会ページはこちら
 オルセー美術館公式サイトの英語ページトップはこちらです。  
 ついでに、Google Arts & Culture上の「ナビ派」はこちら
  
 
DSC_4877.jpg
 まずはチラシと、展覧会カタログ。どちらもボナールの絵が使われています。
 今回の展覧会にもたくさん来ていたのですが、著作権の問題があるのでSNSにアップするのは控えたほうがいいというアドバイスがあり……興味をもたれたかたは、ぜひ上で紹介した展覧会サイトなどでごらんください。もちろん、美術館に行ってみる! のが一番ですが♪

 IMG_4786.jpg
 カタログ表紙は充実の二種。じつは赤はこの展覧会実現に多大な協力をしてくださったオルセーおよびオランジュリー美術館の総裁ギ・コジュヴァル氏おすすめだったかな。ヴュイヤールの<エッセル家旧蔵の朝食>を使用した限定部数カタログです(でもわたしは緑が好き&ボナール好きなので緑買ってしまいましたが)。

 それでは、展示についてちょっとご紹介します。
*会場内の画像は主催者の特別の許可を得て撮影したものです。

IMG_4799.jpg
・ポール・セリュジエ<ナビに扮したポール・ランソン> 
 1890年 油彩/カンバス
 オルセー美術館蔵

「ナビ」Nabiというのは、ヘブライ語で「預言者」という意味。だからこの絵のなかのランソン(ナビ派メンバーのひとり)も、五芒星をかたどった杖や異教的雰囲気のガウンなど、エキゾチックで神秘的な格好(コスプレ的な♪)をしています。でもなにを「預言」するの?

↑三菱一号館美術館で配布中の見どころガイドから引用してみます。
「ナビ派は19世紀末のパリで、ゴーガンの美学から影響を受けて結成された、前衛的な若き芸術家グループです。『ナビ』とはヘブライ語で『預言者』を意味し、彼らは自らを新たな美の『預言者』と称したのでした。ナビ派の代表的な作家には、ボナール、ヴュイヤール、ドニ、セリュジェ、ランソンなどがあげられ、当館で2014年に展覧会を開催したヴァロットンもその1人です」

 そうなのです、ナビ派の成り立ちにはあのゴーガン(あの、っていうのは、昨年『ゴッホとゴーギャン』展で突然、雷に打たれたように、「あっ、わたしゴーギャン好きだった!」と気づいたので。タヒチ以前のゴーガンが好きです)が深く関わっていたのです。
 だから第一室にはゴーガンの絵も展示されています。

IMG_4760.jpg
・ポール・ゴーガン<<<黄色いキリスト>>のある自画像>
 1890-91年 油彩/カンヴァス
 オルセー美術館蔵

IMG_4761.jpg
・ポール・ゴーガン<扇のある静物>
 1899年頃 油彩/カンヴァス
 オルセー美術館蔵

 ゴーガンとともに総合主義を確立した、エミール・べルナールの作品も展示中。
IMG_4764.jpg
・エミール・べルナール<ブルターニュの女性たち>
 1888年頃 油彩/カンヴァス
 オルセー美術館蔵

 わたしにとってもっとも印象深いのは、モーリス・ドニのこの作品。

IMG_4776.jpg
・モーリス・ドニ<ミューズたち>
 1893年 油彩/カンヴァス
 オルセー美術館蔵

 オルセーに初めて行ったのは、1980年代末なんじゃないかと思います。パリに二度目に行ったとき。
 ルドンの絵が見たくて行ったのですが、そのすぐ近くの展示室にあったのがこの作品。で、これはわたしの記憶ではそうなっている、というだけで、まあ夢かもしれないのですが、この絵の樹木を意識した柱(という装飾)がすぐ近くにあって、おもしろい展示だなあと思ったのでした。それから、今回も来ているヴァロットンの<ボール>がすごく好きで、この二枚は絵はがきを買ったのを覚えています。

 自分にとってナビ派が〔けっこうメジャー〕だったのは、国立西洋美術館のおかげもあります。西洋美術館のウェブサイトで作品検索をしてみると、ボナールが3点、ドニが49点(!)、セリュジェ2点、ランソン1点、マイヨール9点(彫刻が中心)を収蔵しています。今回のギャラリートークでも、松方コレクションの松方さんが[現代画家]としてドニを多く買ったこと、そして現在三菱一号館美術館の館長をつとめる高橋さんも、西洋美術館在職中にナビ派の作品を購入したとも話しておられました。
 
 さらに、ここでは紹介できないのが残念なんですが、猫ポイントの高い画家としてボナールが好きなんですねー。最初にあげてあるチラシに使われている<格子柄のブラウス>では女性が白黒の猫をがっしり抱いているし、その名も<猫と女性>という、白猫がみょーんと伸びてる絵も今回展示されています。

 けれどもナビ派は、本場フランスでも最近やっと再評価されつつあるそうです。その先頭に立っているのがオルセーの館長を2008年から務めるコジュヴァル館長 で、専門はヴュイヤール。オルセーのコレクションも増やし、ナッシュビル(USA)の大富豪が所蔵していた600~700点のナビ派作品をオルセーに寄贈させた立役者でもあり、今年3月の任期満了退任後は、新設のナビ派センターに異動されるとのこと。

 展覧会は6部構成です。

1 ゴーガンの革命

2 庭の女性たち

 カタログp.53から引用します。
「女性と自然の組み合わせは、19世紀末の象徴主義の主要なテーマの一つであった。ドニやボナールの作品に見られる、女性の身体のラインに巻きつくような植物の表現は、ある特定の風景ではなく、想像上の庭園や様式化された公園を描き出している」

 このセクションのハイライトは、セクション名ともなったボナールの連作<庭の女性たち>でしょう。女性・植物・さらに猫や犬も登場する四枚の装飾パネルは、展覧会サイトの「みどころ」で見ることもできます。
 また、カタログ(緑)に使用された<黄昏(クロッケーの試合)>もこのセクションに。「格子模様の衣服の平坦さと画面の装飾性も特筆すべきであろう」(カタログp.65)という指摘もありますが、カタログ表紙でちょうど中心に配置されているのでご確認いただければ。
 わりあい控え目サイズの多いナビ派ですが、<庭の女性たち>も<黄昏>もかなり大きく(<黄昏>は130.5X162.2cm)、庭園の緑に包まれるような感興も味わうことができて、ぜひ実物の前に立ってもう一度見たいなと思っています。

 ここでは、ドニの作品を二枚。

IMG_4769.jpg
・モーリス・ドニ<9月の宵、若い娘の寝室装飾のためのパネル>
 1891年 油彩/カンヴァス 
 オルセー美術館蔵

IMG_4770.jpg
・モーリス・ドニ<10月の宵、若い娘の寝室装飾のためのパネル>
 1891年 油彩/カンヴァス 
 オルセー美術館蔵

 さらにマイヨール。
IMG_4771.jpg
・アリスティド・マイヨール<女性の横顔>
1896年頃 油彩/カンヴァス 
 オルセー美術館蔵
 あまりものを多く配置せず、空間を活かした作品で目立っていました。

3 親密さの詩情
<親密さ>、アンティミスムってナビ派のキーワードのひとつ。このセクションについて、カタログp.73から引用します。
「その初期の展覧会以来、ナビ派は、ある私的な世界をまるで覗き見ているかのように描いた、室内の上掲の優美さと力強さによって評価をえた。登場人物たちの間の緊張感は、画面構成の工夫や光と影の対比によって軽妙に表現されている」
 
 このセクションは、かつて三菱一号館美術館で展覧会が開催されたヴァロットンの作品の存在感が強くなっています。
 で、じつはけっこう恐い。というか不穏。
 うまく写真が撮れなかったのですが、ヴァロットンの<室内、戸棚を探る青い服の女性>は、水色に近い青の寝間着を着た女性の後ろ姿が中心要素なのですが、寝起きなのか髪は乱れているし、戸棚の下のほうを見ているのか頭が斜め下に向けて落ちているし、なにか幽霊めいた雰囲気がある。戸棚のなかでなにを「探」っているの? 

 高橋館長のギャラリートークでとくに心に残ったのは、ナビ派の〔ある種の二重性〕でした。ナビ派はかわいい感じがするけれども(じっさい、高橋さんは学芸員の杉山さんと共著で『かわいいナビ派』という本を上梓されてますが)、その日常性やかわいさの裏にあやしいかげがあると。ヴァロットンの<ボール>の女の子を追いかけているかのような木の影は、自然ならばあんな形にはならないし、ほかの絵でもわけのわからない影がついていたりもする。ボナールの裸婦画<ベッドでまどろむ女(ものうげな女)>もそうした作品のひとつとのこと。

4 心のうちの言葉
 肖像画を中心としたセクション。
 
IMG_4777.jpg
・エドゥアール・ヴュイヤール<八角形の自画像>
 1890年頃 油彩/厚紙
 オルセー美術館蔵

 先鋭的!
 わたしはフォービスムや表現主義も好きなのですが、ここでつよく「つながってる!」と思いました。しかもカタログによると、
「八角形をしたこの珍しい自画像は、絵画を再現描写的な氏名から解放しようとした画家の意志を物語っている。形態と色彩を極度に純化したその急進性は、ゴーガンやファン・ゴッホに匹敵するのみならず、フォーヴの画家たちの大胆さを15年も先取りしている」(p.97)

 この絵と同じ展示室に、おだやかだけれど真摯なドニの自画像も展示されています。
IMG_4778.jpg
・モーリス・ドニ<18歳の画家の肖像>
 1889年 油彩/カンヴァス
 オルセー美術館蔵

(この色の構成、なんだかベルト・モリゾ<ゆりかご>を思い出したのですが、改めて見比べると特に似てなかった。カーテンと日差しかな)

 前述のボナールの猫登場絵もこちらです。大作<ブルジョワ家庭の午後>にも、右下にちょっとへんてこな形の-「あれっ、ジュリー・マネちゃんとこの猫?」って思った-猫がいますのでお好きな方は要チェックや。

5 子ども時代
 
 奥に見えているのは、
IMG_4787.jpg
・モーリス・ドニ<窓辺の母子像>
 1899年 油彩/カンヴァス
 オルセー美術館蔵

 ドニは聖家族的な趣のある<メルリオ一家>を、去年見たカサットの<家族>と並べてみたい。奥に森へと続く道があるのが共通点。

 ヴュイヤールの装飾画連作
IMG_4792.jpg
・エドゥアール・ヴュイヤール<公園>より、左から
 <公園 戯れる少女たち> 1894年 油彩/カンヴァス
 <公園 質問> 1894年 油彩/カンヴァス
 <公園 子守> 1894年 デトランプ/カンヴァス
 <公園 会話> 1894年 デトランプ/カンヴァス

 ナタンソンの注文で描かれた連作のうち5点がオルセー収蔵で、今回来日。オルセーでは一線に並べて展示してあるけれども、もともとの意図に沿ったコ型の配置ができているのも、三菱一号館美術館という場所を活かした展示だそうです。
 
6 裏側の世界
 さきほどもギャラリートークから引用しましたが、ナビ派の作品の「ある種の二重性」、かわいさや日常性の裏に不安や違和感が潜む多義性がフィーチャーされたのがこの最後の展示室。
 今回の展覧会で、個人的には一番惹かれたセクションです。「かわいい」(猫含む)から好き、色彩が好きだからと思っていたナビ派ですが、こうしてさまざまな面から光を当てられると、「あっ、そうか。ルドンや象徴主義、それから表現主義、フォーブなど、ほかの〔好き〕といういう地続きだったんだ」と、すごく腑に落ちる体験をしました。

IMG_4802.jpg
・モーリス・ドニ
 上・<プシュケの物語 プシュケの誘拐(第2ヴァージョン)> 1909年 油彩/カンヴァス
 下段右・<プシュケの物語 プシュケと出会うアモル> 1907年 油彩/カンヴァス
 下段中央・<プシュケの物語 プシュケの好奇心> 1907年 油彩/カンヴァス
 下段左・<プシュケの物語 プシュケの誘拐> 1907年 油彩/カンヴァス
 すべてオルセー美術館蔵

IMG_4795.jpg
・エドゥアール・ヴュイヤール<ベッドにて>
 1891年 油彩/カンヴァス
 オルセー美術館蔵

 そして、「黒い」要素が全面に出てるこの二作が隣り合っているのもいいよね。
IMG_4798.jpg
 左・ジョルジュ・ラコンブ<存在> (部分)
   1894-96年 クルミに浅浮彫 オルセー美術館蔵
 右・ポール・ランソン<黒猫と魔女>
   1893年 油彩/カンヴァス オルセー美術館蔵

 楽しく、わくわくし、ちょっとだけ不穏……すばらしい体験ができました。
 ぜひ再訪したいと思います。もちろん、いつか、ナビ派センターにも行きたい!
 
 
〔開催概要〕
『オルセーのナビ派展:美の預言者たち ―ささやきとざわめき』
会期     2017年2月4日(土)~5月21日(日)
開館時間 10:00~18:00(祝日を除く金曜、第2水曜、会期最終週平日は20:00まで)
       ※入館は閉館の30分前まで
休館日  月曜休館(但し、2017年3月20日、5月1日、15日は開館)
主催    三菱一号館美術館、読売新聞社、オルセー美術館
後援    在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)




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