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パリ♡グラフィック展(三菱一号館美術館) ブロガー内覧会に参加しました。 

2017.11.12
Sun
17:42

 10月8日(水)~2018年1月8日(月・祝)開催の
『パリ♡グラフィック 展 ロートレックとアートになったポスター展』(公式ウェブサイトはこちら
のブロガー特別内覧会に参加しました。関係者のみなさま、ありがとうございました。

DSC_0222.jpg
 カタログ、という位置づけでいいのかな? 
 収録作のナンバリングは展覧会とは別です。

 芸術品の価値に、「唯一無二の存在」というのがあると思いませんか? すくなくとも、わたしはそう思っていました。
 そうすると、「版画がほとんど」→「たくさんあるものから集めてるし、印刷物なんだから印刷(本とか)を通して見てもそんなに変わらないかもー」→「そういう展覧会だったら無理にはいいかな」……みたいな考えも成り立つかなと。
 でもそうじゃないんだ。すくなくとも、この展覧会を見たあとのわたしは、そうだとは「限らない」ってことをさらに強く思うようになったんだ。
 と、大袈裟ながら思った体験でした。

*以下の写真は、特別な許可を得て撮影したものです。

L1042942.jpg
・ウジェーヌ・グラッセ<版画とポスター(『版画とポスター』誌のためのポスター)> 1897年 ファン・ゴッホ美術館蔵
 第一展示室の最初に配置されたのがこの作品です。
 しっかりと紙挟みを抱え、不快そうな表情を浮かべている黒衣の女性は、個人(収集家)向けの版画を象徴。
 彼女にちょっかいかけてる朗らかな様子(ついでに露出度の多い服)の女性は、大衆向け版画を象徴。

 カタログp.19から引用します。
「この本では、グラッセの版画にはっきりと視覚化されている潮流を順に論じていく。個人向けの版画と大衆向けの版画という当初激しく引き裂かれていた二つの世界については、第一部と第二部で比較を行う。続く第三部では、批評家や画商や収集家の関与を通じて二つの世界が徐々に重なりあっていくさまを紹介する」
 展覧会の構成も同じです。

L1042944.jpg
・ルイ・カリエ=ペルーズ<鍋修理> 1882年 個人蔵
 二枚目はこちら。
 前景にはたしかに鍋修理の少年が配置されていますが、その右に描かれた身なりのいい男女は壁を埋めつくすポスターだけを見ています。

 この部屋には「三つのジムノペディ」(1888年)や「あなたがほしい」Je te veux (1900年)など、エリック・サティのピアノ曲が流れていました。この展覧会が扱う作品や社会とは同時代。また、展覧会を開催している三菱一号館美術館のもとの建物が竣工したのもこのころ、1894年です。三菱一号館美術館は展示室のサイズ(大きいものも他と比べると大きくはない)やしつらえが特徴的で、その「場」にあった企画を立てるのがうまいよね。もちろん、今回もです。 

 次の部屋にはロートレック作の人物画がずらりと並び、うまいなー。ちょこっといじわるな視点がぴりっと効いてるんだよね。と思わせます(お楽しみに)。

 通路、そしてもうひとつの展示室を経て、三菱一号館美術館最大の部屋にたどりつきます。
 本展覧会では、この部屋の一角に展示された作品の撮影OKとなっています。



L1042902.jpg
(右より)
・アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック <アリスティド・ブリュアン、彼のキャバレーにて> 1893年 三菱一号館美術館蔵
・アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック<エルドラド、アリスティド・ブリュアン> 1892年 三菱一号館美術館蔵
・アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック<コーデュー> 1893年 三菱一号館美術館蔵
 当時の街角写真を壁紙とし、大きなポスターを張り出したかたち。ブリュアンの肉声録音も流れ、さらに当時にわたしたちを近づけようとしてくれています。

L1042951.jpg
・アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック<ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ> 1891年 三菱一号館美術館蔵
 ロートレックというと思い出す作品のひとつでは?
 もともとポスターとして作成されたものですが、驚くほど状態が良好です。
 それは、三菱一号館美術館の収蔵品がジョワイヤン・コレクションに由来するからだそうです。

 展覧会サイトから引用します。
「三菱一号館美術館では、ロートレックが生前アトリエに保管し、画家の親友で、ゴッホの弟テオの画廊を後継したモーリス・ジョワイヤンが引き継いだ250点余りのグラフィック・コレクションを所蔵しています。保存状態の良いリトグラフやポスターの主要作品に加え、市場には出なかった試し刷りなど、画家の制作過程がうかがえる貴重な作品が数多く含まれています」

 この<ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ>は、上野の国立西洋美術館で開催中の『北斎とジャポニスム』でも展示中ですが、カタログを見ると「違う」ことがよくわかります(ギャラリートークで、〔ロートレックが手元に残しておいたものだから、実際に張りだす前につけくわえられた文字が「ない」というコメントがありました)。わたしはこの日、まず上野で北斎、ゴッホ(都美)、古代アンデス文明(科博)を見てからブロガー内覧会に行ったので、カタログで見比べると、北斎展での展示作には下方に「ムーラン・ルージュ」「水曜日と土曜日」「仮面舞踏会」という意のコピーが赤系の文字で加わっています(カタログp.105。パリ♡グラフィック展カタログではp.13。発色については印刷物だから比べられない)。

L1042903.jpg
・カミーユ・マルタン<『レスタンプ・オリジナル』第2年次の表紙> 1894年 三菱一号館美術館蔵
 ストリートに張りだされる「大衆向け」のポスターに利用される一方、独立した芸術作品として収集の対象となる版画も多く生まれていきます。たとえば、ヴァロットン展でも見ることができた<アンティミテ>連作などがこのタイプです。
『レスタンプ・オリジナル』は、
「『オリジナル』な芸術家の、『オリジナル版画』を載せた」(カタログp.25)同名の先行雑誌と同じタイトルのもと、「『際立った、新しい才能を紹介する場をなること』と『今この時代の芸術の証人となること』をめざしてつくられた」(同)版画集です。 

L1042916.jpg
・(左) アンリ・ラシュー<装飾パネル(『レスタンプ・オリジナル』より> 1893年 三菱一号館美術館蔵
・(右) ポール=エリー・ランソン <密林の虎> 1893年 三菱一号館美術館蔵
『レスタンプ・オリジナル』よりもう一枚。すぐ上のと同じく、浮世絵に通じる世界ではないですか?
 本展では、最後の部屋に、ゴッホが収蔵していた浮世絵の展示もあります。広重、国芳、国貞など。 
 ランソンの虎は、このあとの猫特集(! 勝手に開催)の前触れ的に。

L1042966.jpg
・(右)アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック <ロイ・フラー嬢> 1893年 三菱一号館美術館蔵
・(左)アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック <ロイ・フラー嬢>1893年 三菱一号館美術館蔵
 収集家が好む希少性を高めるには、もちろん、刷る部数を少なくおさえることがすぐ思いつくでしょうが、ロートレックはこの二枚のロイ・フラーのように、別の色を乗せることで「違い」を出すこともよくしていたそうです。 興味深い。
 別の展示室にあったロートレックの<婦人帽子屋ルネ・ヴェール>三枚も、同じ「もと」の違うステートが並んでいます。 

 小テーマとしてとくに興味を持ったのはふたつ。
 ひとつはちょう個人的テーマの「猫」ですが、もうひとつは、世紀末の芸術潮流のひとつ、象徴主義Symbolismeにつながる世界です。
L1042994.jpg
*参考写真。当時の「書斎」
 豪華なピエール・ロティの書斎などもありましたが、ユイスマンス(『さかしま』の作者)の部分を大きく。

L1042981.jpg
・(左)ジョルジュ・ド・フール<食(『神秘的で官能的なブルージュ』より> 1899年 ファン・ゴッホ美術館
・(右)ジョルジュ・ド・フール<奇妙な風景(『神秘的で官能的なブルージュ』より> 1899年 ファン・ゴッホ美術館
 また、ローデンバック『死都ブリュージュ』の世界につながる世界。

L1042983.jpg
・オディロン・ルドン<光の横顔> 1886年 ファン・ゴッホ美術館蔵
 さらに、ルドン作の美しい横顔を。
 展示室として利用されていますが、暖炉を備えた形の部屋もあるこの美術館ならではの雰囲気が味わえました。 

 そして、もいろんなとこにいる展覧会でした!
 なにしろ図録にもこんなイラストがあしらわれてるのだからにして♡
(キャット空中三回転←古い か、はたまた夜廻り猫かみたいでしょう!)
DSC_0223.jpg
(カタログp.22より)

L1042890.jpg
 上のモチーフはここからですね。
・アンリ・リヴィエール<ジョルジュ・フラドジュール『月の光』上演のためのポスター> 1887年 ファン・ゴッホ美術館蔵
 劇場名がTeatre du Chat Noir 黒猫座 だからだな。きっと。

L1042898.jpg
 有名なポスターですね。
・テオフィル・アレクサンドル・スタンラン<シャ・ノワール巡業公演のためのポスター> 1896年 ファン・ゴッホ美術館蔵

L1042930.jpg
・テオフィル・アレクサンドル・スタンラン<ボディニエール画廊にて> 1894年 ファン・ゴッホ美術館蔵
 この構図(空白が大きい)は、画廊での展覧会告知文を入れる前の状態だからだそうです。
 すぐ上で紹介したポスターの黒猫と同じモデルなのかな? 

L1042975.jpg
・フェリックス・ヴァロットン<怠惰> 1896年 三菱一号館美術館蔵
 大好きな一枚。にょろんな白猫のかたちが絶妙だし、ベッドカバーの模様との対比もさすが。
 ヴァロットンたくさんありました! 
 白黒の構成を非常にうまく活かしている作品ばかりです。
 ギャラリートークで学芸員の野口さんから、〔この展覧会が実現したのは、先年開催のヴァロットン展がきっかけ〕という主旨のお話がありました。

L1042950.jpg
・(左)アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック <メイ・ベルフォール> 1895年 三菱一号館美術館蔵
・(右)アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック  <メイ・ミルトン> 1895年 三菱一号館美術館蔵
 こちらのどっかにちんまい子がいます。ぜひ会場で確認してね!
 ふたりのメイはペアで構想されたそうなので、ここで並んだのは画家も本望かと。 

L1042921.jpg
 どうぶつつながりでこちらは犬。好きな一枚。好きなボナール。
・ ピエール・ボナール<小さな洗濯女> 1896年 ファン・ゴッホ美術館蔵
 これも上野でも見たよ! わんこかわゆー。
 ボナールはかなり数がありました。  

L1042945.jpg
・ピエール・ボナール<「フランス=シャンパン」のためのポスター> 1891年 ファン・ゴッホ美術館蔵
 かつては上流階級が独占していた「芸術作品」が、ポスターという形で街にあふれ一般大衆にも届くようになったこの時代、絵を描くひとの「デビュー」の形も変わりました。ボナールはそのひとり。ギャラリートークで、学芸員の藤田さんは、ボナールにとっては絵と版画は等価であり、ポスターでの商業的成功をスタートに名を馳せるようになったと話してくださいました。

 社会が変わるとき、芸術も変わる。
 大いに興味ある時代・場所についてすこし近づけたように思え、すばらしい体験をすることができました。また行こう。

〔展覧会概要〕
会   期 2017年10月18日(水)~2018年1月8日(月・祝)
開館時間 10:00~18:00(祝日を除く金曜、11月8日、12月13日、1月4日、1月5日は21:00まで)
        ※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜休館(但し、1月8日と、「トークフリーデー」の10月30日(月)、11月27日(月)、12月25日(月)は開館)
       年末年始休館:2017年12月29日~2018年1月1日
主   催 三菱一号館美術館 アムステルダム、ファン・ゴッホ美術館、朝日新聞社
後   援 オランダ王国大使館
協   賛 大日本印刷
協   力 ヤマトロジスティクス(株)、エールフランス航空、KLMオランダ航空
お問い合わせ 03-5777-8600(ハローダイヤル)
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