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* category: 展覧会

石内 都展@横浜美術館の内覧会に参加しました(0120) 

2018.01.21
Sun
17:41

 横浜美術館で開催中の『石内 都 肌理と写真』展(3月4日まで)。
 テーマ別に構成された展覧会の4セクションは、それぞれ「横浜」「絹」「無垢」「遺されたもの」といいました。

L1043006.jpg

L1043008.jpg
 横浜美術館グランドギャラリーにはためくのは、「絹」の項で展示されている写真の拡大を組み合わせたもの。朗らかで明るく、時代を感じさせる銘仙と、こうした織物のもとになったお蚕さんの繭です。

 1月20日、菊地麻衣子さんが主催する[アートサロン パトロンプロジェクト](リンクはこちら)による「アート新年会」が開催されました。共催の横浜美術館からお誘いいただき、ギャラリートーク-撮影会-懇親会に参加してきました。関係者のみなさま、貴重な体験をさせていただきありがとうございました!

*画像はすべて主催者の許可を得て撮影したものです。

 石内都さんは、わたしにとっては、フリーダ・カーロの家(メキシコシティ)にあるフリーダの遺品を撮影した写真家でした。
 →写真集『フリーダ 愛と痛み』(岩波書店)
 →→石内さんがこの写真を撮る姿をおさめたドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 -石内都、織るように』 
 また、この作品集について二、三調べたりしてるとき、広島の原爆で命を落とした方たちが身につけていた衣服を石内さんが撮影していることを知りました。開催中の展覧会のメインビジュアルは、おそらくそのうちの一枚だろうな……という程度の知識を持って、イベントの日を迎えました。
 
・横浜 Yokohama
 グレイッシュブルーに塗られた壁に、余裕を持って配置されたモノクロームの写真。
 石内さんの〔横浜〕は、くずれそうな民家、廃屋から始まりました。
 第一室に展示されているのは、『Apartment』(1977-1978、木村伊兵衛賞受賞)のなかから横浜で撮ったもの-作品ひとつひとつにはキャプションはなく、下方にそっと置かれたナンバーを手がかりに作品リストを当たると、「弘明寺」「富岡東」「平沼」などの地名が並びます-、そして『連夜の街』(1978-80)からの写真です。『連夜の街』は全国の赤線地区を撮影したもので、作品リストを見ると「真金町」「福富町」「野毛町」などの名が並びます。そうか、ここにあるのはその[横浜]なんだ。
 
L1043011.jpg
 参考:産経ニュースの関連記事→石内都さん「Apartment」 建物が時間を食べてる 入れ替わり暮らしてきた住民らの気配、手垢や体臭…。

L1043015.jpg
 廃墟を映した写真は『Bayside Courts』(1888-89)へと続きます。そのなかで一番惹かれたのが左側の冷蔵庫の写真。米国製かな? 読み取れないけどアルファベットが並ぶ製品(またはメーカー)名、住民、子どもかな? がひとつひとつ配置や大きさを貼っただろう花のシール。
 帰宅してBayside Courtsを調べてみたら、『週刊横濱80's』にこんな記事がありました。

L1043014.jpg
『yokohama 互楽荘』 (1986-87)
 今のKAAT(神奈川芸術劇場)裏-海側にあった、かつての高級アパートメントハウス。
 だそうなのですが、ぜんぜん記憶にない。←さきほど引いた『週刊横濱80's』にエントリあります。
 小学校は公立で近かったけれど、中学で私立に行き、留学なんぞもしてしまい、横浜に関心を持つようになったのはせいぜいこの10年ちょっとなのが悔やまれます。

L1043019.jpg
 石内さんが撮影したのは、昔のひかり いまいずこ……となり、崩壊に向かっていく互楽荘の姿です。
 わたくしごとですが、中華街に同潤会アパートがあったのはすごく覚えています。調べたら、現在のレイトンハウスあたり。わたしが小学生だったころにはもう老朽化していて、屋上の貯水タンクのなかには死体が……なんて怪談がまことしやかに囁かれてた、ように思う。 

L1043020.jpg
・『金沢八景』(1975-76)
 崩壊していく互楽荘の向かいには、とてもお行儀よく、小さめのみんな同じサイズで撮られた『金沢八景』が並びます。ここは石内さんの生活拠点。桐生で生まれ、7歳から19歳までは横須賀で育ち、そして横浜で暮らすようになったと学芸員の大澤さんがおっしゃってました。

L1043036.jpg
・『Yokohama Days』2011
 カラーで撮った最近の横浜。あっ、ここは……!
 竜宮美術旅館のお風呂だよね(反転すると読めます)。

L1043023.jpg
 横浜の最後は真っ白い壁。一瞬、象でも映したのかな、と思うような皺が目に飛び込んできます。
・『1906 to the skin』 (1991-93)
 横浜を拠点に活動していた舞踊家・大野一雄を写した作品群です。 

 思わぬいろんな横浜に気もそぞろになりながら、通路を隔てた第二展示場に入ると(なかが見えないように白い布で出入口が仕切られています)高さ7メートルの正方形の空間には、「絹」をテーマに、色とりどりの布-着物を写した写真が躍ります。

L1043067.jpg
 多くは銘仙の着物だとか。
 屑繭から取った糸で織られるから安価で、だから伝統に縛られない自由な柄で遊ぶこともできた着物たち。

L1043070.jpg
 その間に、そっと、蚕の繭とか、桐生とおぼしき風景と工場を写した小さな写真とか、工場のなかの様子などが。

「絹」の部屋を抜けると、また通路をはさんで(映像作品を上映中) 

・「無垢」
セクションへ。
L1043054.jpg

 あ、と思いました。
 最初の部屋のグレイッシュブルーもとてもいい、と思ったのですが(大野を写した作品を置いた白壁もね)、この淡いピンクのぬくもりある色と、モノクロのヌードがとても合っている。
『Innocence』は、女性のからだの傷跡を写した写真群です。幼いころに負った火傷と一緒に成長した体、手術のあとなど。撮り続けるうちに、被写体のほうから「撮ってほしい」と声をかけられることも多くなり、ここに展示されている新作のモデルさんが展覧会に来て自分の体(の一部)の写真を見たりもしたとか。
 傷跡も一緒に育つ、一緒に生きている、というのをぼんやり考えたりもしました。非活動的だったからその分怪我なんかもほとんどしたことないのですが、自分では見れない(もう薄い)お尻の火傷とか、折り畳みテーブルの金具でえぐった傷の、芋虫みたいな傷跡とか、すぐ目につくものでは右の手の甲に猫にひっかかれた傷跡があるとか……。

L1043040.jpg
 このあともとてもいいのでなんとか多めに色が見せられないかな、と思ってとった一枚。シャルトリューズイエロー(っぽい)の裏面にあたる壁は浅緑とか若緑の色味(聞いてくればよかった)。石内さんと打合せを重ねて決めたこの壁色はとても好評を得ているそうで、塗装業者さんも「今までで一番よくできた」と納得の出来だったとか(大澤さん談)。
 欲を言えば、ソファもちょっと意識して手を加えた全体が見たかったように思います。Bunkamuraザ・ミュージアムあたりは展示に合わせて布をかぶせたりしてて、そこを見るのも好きです。でもこのどしっとしたソファの黒が引き締めになってるのかもね。

・「遺されたもの」
L1043078.jpg
・『Mother's』(2001-2002)
亡きおかあさまの遺品を写した作品から三枚を展示。
最後に残った紅を筆でこそげて塗っていたであろう口紅(真ん中)など、今はいない持ち主の気配を強く感じさせる品々。
フリーダ・カーロ博物館がこの作品を見て、フリーダの遺品撮影を石内さんに頼んだといいます。

L1043049.jpg
『Frida by Ishiuchi』(2012)
 石内さんは自然光の下で撮る作品がほとんど。このように背景に木漏れ日が映り込んだりすることも。

L1043077.jpg
『Frida by Ishiuchi #24』(2012)
 
L1043075.jpg
『Frida Love and Pain #96』(2012)

 そして、2007年から撮り続けている『ひろしま』。広島平和記念資料館に寄贈された被爆者の遺品を撮影したシリーズ。
L1043079.jpg
 青く塗られた壁(右側)の端、ずいぶんと高いところに展示されているのが、本展覧会のキービジュアルになっている写真です。
 石内さんは今もフィルムカメラで撮影しているため、現像してみたとき、「あ、このワンピース、空飛んでるみたい!」と思ったそうで、この配置、高さ、そして壁の青もこのことを意識しているとのこと。

 写っている遺品、おしゃれだなあと思うものも多くて。
L1043083.jpg
 もちろん、このように<戦時下、しかも終戦直前のぎりぎりの暮らし>イメージに似合うものもあるのですが、そういうときにも精一杯すてきなものを着ていたひとも少なからずいて。そういう「ふつう」が一瞬で蒸発してしまった脱け殻のような衣類が、晴れ渡った空を思わせる青い壁の高いところに掛かっている。どんなひとが、なにをしていたひとが身につけていたのかな……と、作品リストの解題にあるように、
「事物の表層=肌理(きめ)を通して、時間の堆積として被写体を考察し撮影する石内の一貫した姿勢」にすこし寄り添えた気がしたのでした。 


L1043061.jpg
 出口に向かう右手に展示されていた写真(とドレス)全体と、

L1043082.jpg
 左手にはその部分をとじこめた五つのアクリル板とに送られて、展示室をあとにしました。

 
〔展覧会概要〕
会   期 2017年12月9日(土)~2018年3月4日(日)
開館時間 10時~18時(入館は17時30分まで)
           *2018年3月1日(木)は16時まで
           *2018年3月3日(土)は20時30分まで (入館は閉館の30分前まで)
休 館 日 木曜日 *ただし、2018年3月1日を除く
主   催 横浜美術館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団)
助   成 芸術文化振興基金
制作助成 公益財団法人テルモ生命科学芸術財団
協   賛 株式会社ニコン
       株式会社ニコンイメージングジャパン
       資生堂
協   力 The Third Gallery Aya
       みなとみらい線
       横浜ケーブルビジョン
       FMヨコハマ
       首都高速道路株式会社
       チョコレートデザイン株式会社

・・・・・
与那原恵『石内都と、写真の旅へ』 
 メキシコ-USA-桐生-横浜と、石内さんとともに旅をしたノンフィクション作家によるウェブ連載。備忘録に。 互楽荘での撮影エピソードなども。       


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